その後しばらく連絡を取っていたふたりですが、中々会う機会がなかったこともあり、次第に連絡は途切れ途切れに・・・。

やがて、彼らは高校生になりました。

「今でもどうしてだか分からないけど、連絡を取らなくなっても彼女を忘れることは一日もなかったよ」

と語るケビンさん。

しかし彼の学園生活は、あまり良いものではありませんでした。

ひどいうつ状態に陥り、ついには自殺を決意するまで追い詰められてしまいます。

遺書も書き終え、自分の人生を終えるのにふさわしい場所にたどり着き、まさに自殺を決行しようというちょうどその時。

彼の携帯電話が鳴りました。ディスプレイを見ると、知らない番号。でも、それは聞き覚えのある彼女の声でした。

 

「『どうして急に電話をしてきたんだい？』って聞いたら、

彼女は『なぜだか分からないけれど、あなたに電話をしなくちゃっていう衝動に駆られたのよ』と答えたんだ」

 

「『今から自殺するんだよ』と彼女に伝えると、『何言ってるの！そんなことしないで！』って止められたよ」

 

彼女は、自殺をやめるよう彼を説得し、次の日に電話をするよう約束させました。

次の日の夜、彼は約束どおり彼女に電話をかけました。

これをきっかけにまた連絡を取り合うようになったふたり。そして10年後、 ケビンさんはあの夜書いていた手紙で彼女にプロポーズしました。

答えはもちろんYES！ケビンさんは命を救ってくれた彼女と結婚したのです。

今ではこんなに幸せそうなふたり。

10年前の電話がこんな未来をもたらすなんて、予想だにしてなかったはず。連絡が途切れても、お互いのことを想いあっていたからこそかもしれません。

人生、5秒先に何が起きるか分からないですね。

時に沈むことがあったとしても、前を向いて歩いていこう、と思わされるエピソードでした。