坊主頭にヒゲをたくわえ、サングラスをかけた強面の男性が、向こうから歩いてきます。この男性は、1年前、未成年にわいせつ行為を働いたとして書類送検された、元TOKIO・山口達也さん(47)です。5月上旬の午後1時ごろ、都内の気温は20℃を超えていて汗ばむ陽気となっていました。この日の強い日差しに体力を奪われたのか、「ハァ、ハァ、ハァ…」という荒い息遣いとともに、おもむろに顔をしかめて路上に座り込み、「あぁ…クソ…」と呟きました。
自分自身と闘うTOKIO山口達也
ウォーキング中、路上にしゃがみ込んでしまった山口さんは、よほどしんどいのか、なかなか立ち上がろうとしません。5それから分ほど経つと、やっとのおもいで身を起し、再び歩き始めて自宅へと向かいました。駅から家までの約15分間のウオーキングは中断したようです。
ウォーキングの道中、通りすがる人々は、この男性がTOKIOの元メンバー・山口達也さんであることに、全く気づいていない様子でした。あの記者会見から1年、華やかな芸能界から姿を消していた山口さんですが、今でも自分自身と闘い続けています。
アルコール依存症ではなく躁鬱病だった!!
昨年の4月26日、山口さんは涙ながらに謝罪会見を開きました。
この国民的アイドルの大スキャンダルに、様々なメディアが連日そのニュースを伝え。ネット上でも「信じられない」などのコメントで炎上騒ぎとなっていました。
事件の内容は、山口さんが司会を務める『Rの法則』(NHK Eテレ)で知り合った女子高生2人を自宅マンションに呼び出し、強引にキスを迫ったというもの。その後、女子高生が警視庁に被害届を出したことで事件が明るみになりました。山口さんの謝罪会見後の5月2日には、TOKIOメンバーの城島茂さん(48)、国分太一さん(44)、松岡昌宏さん(42)、長瀬智也さん(40)のメンバー4人が1時間半にわたる緊急会見を開き、山口さんの不祥事を「TOKIOとしての責任だ」と謝罪しました。一連の騒動から4日後、山口さんはジャニーズ事務所からの退所を発表しています。
事件当時も酒に酔っていた状態だった山口さんは、メンバーからも、以前から飲酒による問題が多々起きていたことを明かされています。そこで、メディアでは、山口さんが”アルコール依存症なのではないか”という疑いがかけられていました。書類送検された後、山口さんは都内近郊の療養施設に入院していたと言います。それは、アルコール依存症のためではなく、「ある持病」の治療に専念するためでした。
「事件発覚後、山口さんはアルコール依存症の疑いがあると報じられましたが、本当の病名は『躁鬱病』でした。彼はこの治療に専念するため、メンタルクリニックに力を入れる病院に転院したんです」
と山口さんの病状を知る医療関係者が話します。
躁鬱病の正式名称は「双極性障害」と言って、気分が晴れてハイテンションになる「躁状態」と憂鬱で無気力になる「鬱状態」とを繰り返す病気です。日本における患者の割合は、1000人に4~7人とされています。
「彼は5年以上前から躁鬱で精神的に不安定な状態が続いており、不安を打ち消そうとアルコールを頼ってトラブルを起こすことがありました。1年前の事件も長年にわたる病気が背景にあり、事件後の山口さんは“今度こそ絶対に治す”と本腰を入れて、専門的な医療機関で治療を始めました。昨年夏ごろにはこの病院を退院し、定期的に通院しながらカウンセリングやリハビリを続けています」
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山口さんの過去にあったアルコールがらみの事件は全て、精神疾患によるものだったと医療関係者は話しました。
外見の変化は療養のためや反省の意を示すため!?
現在、山口さんは躁鬱病の完治に向けて、ウォーキングや、自転車などのトレーニングに励んでいると言います。山口さんをよく知る人物によると、その姿は1年前と大きく異なるそうです。
「山口さんは退院後、頭を丸め、耳元から顎にかけてヒゲをたくわえていて見た目は“激変”しています。静かに療養するため外見を変えたのもありますが、反省の意でもあったんだと思う。外出するときの服装はいつも決まってトレーニングウエアにニット帽とスニーカー。周囲に気づかれることはほとんどないそうです」
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1年にわたって治療を続けている山口さんは、徐々に回復に向かっているそうですが、今も心身の状態は万全とは言えないと言います。
ある日、山口さんが自転車をスムーズに乗りこなして、自宅近辺を散策していたところ、知人に出会い、その時に見せた表情は以前と同じ、人なつこい彼の笑顔でした。
しかし、別の日は様相が一変します。自転車のハンドルを持つ手が小刻みに震え、車体があっちへ行ったりこっちへ来たりと蛇行し、ついには転倒してしまいます。そして、そのまま山口さんは放心状態のように呆然としていたそうです。この状況に、山口さんを知る人物は
「躁鬱病は自然に治ることがなく、正しい治療をせず放置すると、再発を繰り返すといわれます。その上、いざ治療を始めても寛解するまで4~5年かかるとされるほど期間が長く、なかなか治らないことが特徴です。
最近の山口さんは調子のいい日もありますが、体調がすぐれず、体が気持ちについていかない日もあるようです。必死に這いつくばってトレーニングをしていますが、苦しい時期だと思います」ADVERTISEMENT
あれから1年、山口さんは今何を思うのでしょうか。5月上旬の昼間、自宅へと帰る彼を記者が直撃しました。声をかけると一瞬驚いた顔で立ち止まった山口さん。しかし、口は固く閉ざされたままで、現在の体調やTOKIO復帰への思いを聞くと、動揺した表情が浮かびます。
その後一瞬、優しい笑顔を見せると「ご心配かけています…失礼します」と言い残し、自転車にまたがってペダルを勢いよくこいで去っていきました。山口さんの芸能界復帰が実現する日は来るのでしょうか…