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ヤフー流‼東京をどう変える⁇ “爆速”の男、副知事に転身


「ヤフー」の社長を務めた宮坂学さん(51)の東京都副知事への転身は周囲を驚かせました。民間出身の副知事は、石原都政時代の作家・猪瀬直樹さん以来です。“爆速経営”で名をはせた宮坂学さんが、行政の世界に飛び込んだ真意は何なのでしょう⁇

NHK

 

8月29日の東京都庁、小池知事とともに記者会見に臨みました。「ヤフー」の元社長の宮坂学さんは、次世代の通信規格「5G」を普及させるため、東京に世界最速のモバイルインターネット網=“電波の道”を構築する戦略を打ち出しました。

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「5G」とは第五世代移動通信システムの略称で、携帯電話などの通信に用いられる次世代通信規格のひとつです。Gとは「Generation」の頭文字をとったものであり、5世代目であることを表しています。

高画質な動画の配信や自動運転、遠隔医療など新しい産業やサービスを支えるインフラをいち早く整備し、都市間競争を勝ち抜くことがねらいです。これまで何度も中国を訪ね、発展のスピードが強く印象に残っていたという宮坂学さん。特命担当の副知事として、5Gの推進を担います。

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NHK

 

「今は日本全体で見ても、人口の80%の方がインターネットを使っている。完全に基本的な社会インフラで間違いない。しかも、いちばん大きなビジネスは情報通信、特にインターネットから生まれている。このタイミングでインターネットの基盤をピカピカにしていこうというのが非常に大事だと思っています。」と、宮坂学さんは語ります。

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宮坂学さんは29歳の時に、設立2年目だった「ヤフー」に入社しました。そして7年前、44歳で社長に就任すると、ヤフーのポータルサイトをスマートフォンに対応させるとともに、通販大手の「アスクル」との資本提携、宿泊予約サイト「一休」の買収と、ネットに関わるさまざまな事業に多角化を推し進めました。

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スピード重視の“爆速経営”を掲げ、変化の激しいIT業界で実績を積み上げてきた宮坂学さんは「経営幹部の若返りが必要」として、去年、みずから社長の座を退きます。さらに、ことし6月には「ヤフー」を退社しました。

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毎日新聞

 

小池知事のスカウトを受けて、都の参与に就任しました。そして“電波の道”構想を高らかに掲げ、副知事に就任しました。

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「ヤフーの会長をやめると発表した時、小池知事からすぐ声をかけてもらいました。『5Gやりたいんだけど、都庁をまとめて』って言われて。この街(東京)はもっとよくできると思いますし、今やらないと。自分の力でどこまでやりきれるか分かりませんが、やらずに文句ばかり言ってもしょうがないんで。」と、小池知事から誘われたときのことを話します。

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NHK

 

「世界の主要都市にはデジタル専門部隊が1000人はいます。一方、東京都は水道や道路みたいなインフラの裏側にはすばらしい部隊があるんですが、デジタルには、同じようなものがないんです。都庁の中に“デジタル部隊”という組織を作り、伝統みたいなものを作っていくことがすごく大事で、これが残せれば、ずっと使えます。」と、語ります。
宮坂学さんによると、例えばシンガポールにはIT部門に携わる行政職員がおよそ2600人いて、外国からも人材を採用しているそうです。これに対し、東京都のIT関連職員は100人程度。世界の大都市に比べて、IT分野の人材獲得で後れを取ってるのが実情です。point 342 | 1

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“爆速経営”の本領発揮か、都は早速動きました。10月、デジタル技術に詳しい人材を、2年間の任期付きの管理職として10人程度募集しました。さらに、2021年度の採用からは都の職種の中に、土木や建築などに加えてITも設けることを検討しています。

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NHK

 

この“デジタル部隊”を率いて、宮坂学さんが実現したいことは大きく3つあります。
1.point 100 | どこよりもネットがつながりやすい街
2.point 119 |

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「5G」を基盤にした新たなサービス
3.point 19 | 都庁のネット環境改善による行政改革
こうした構想の実現に向けて、都は、公共施設や都営地下鉄の駅などを5Gの基地局として使えるようにするほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて都庁のある新宿駅西口や新国立競技場の周辺などを5Gの実証実験の場にする計画です。また、11月には、携帯大手4社のトップを集め、5Gのネットワークをどう構築していくか、意見を交わす予定です。point 208 | 1

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副知事就任から1か月の間に、幅広い部署の職員から「こんな取り組みをしたい」という提案が寄せられ、手応えも感じ始めているといいます。場合によっては、交流のあるベンチャー企業との間を取り持って、新たなサービスや産業を生み出したいとも考えています。

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都庁に来たことを「未踏峰に登る感じ」と語る宮坂学さんが、都庁を、そして東京をどう変えていくのでしょうか。“爆速”に振り落とされずに、見つめ続けたいですね。