2021年フィギュアスケート世界選手権が3月24日に開幕。日本のエース・羽生結弦選手はSPこそ1位でしたが、総合では3位という結果に。
フリーでの羽生選手の演技は、誰の目から見ても”彼らしくない”印象でした。ロックスターのようだったSPとは打って変わり、戦国武将・上杉謙信を描いたNHK大河ドラマ『天と地と』のテーマ曲に乗って滑り始めた羽生選手。
しかし、冒頭のからいつものようなスピード感がなく、最初の4回転ループで着氷が乱れ、手をついてしまいます。続く4回転サルコウでも大きくバランスを崩してしまい、得意のトリプルアクセルから連続ジャンプにつなげられない痛恨のミス。まさかの3位に。
SPでは世界選手権3連覇を狙う米国のネイサン・チェン選手が、ジャンプで転倒して3位になったものの、FSでは完璧な演技を披露しました。このことが羽生選手にプレッシャーを与えてミスにつながったのではないかといった声もあがっています。
またフリーの演技前の羽生選手の様子が明らかにいつもとは違っていたそうで、何人かのスタッフが心配そうに見守っていたというのです。
羽生選手はいつもなら前髪を立たせるなどし、ヘアセットをして本番に臨むのですが、フリーの時は髪をおろし、あえてナチュラルという感じではなくボサボサ…。表情もうつろで、演技前からかなり呼吸も乱れていたようです。
ただ、羽生選手もFS後のインタビューで「喘息の感じはちょっとしたかな」と語っており、体調が悪かったからこその結果だったのかもしれません。
続けて「ちょっとしたトラブルが続いていて、ほんのちょっとのほころびが積み重なった。自分の中で原因は分かっているし、点差ほど大きなミスではない。やりきれたという感覚はある」と、振り返っています。
またロシアの一部メディアが、羽生選手がFSの前に喘息の発作を起こして、診療を受けたと報じていたそうです。
来季の現役続行を表明している羽生選手。22年北京五輪については「4回転アクセルを目指している状況の先に、オリンピックがあるなら考えます。ただ、僕の中での最終目標はオリンピックで金メダルを獲ることじゃなく、あくまで4回転アクセルを成功させること。こういう世界の状況、自分の体、色んなことを考慮しながら考えたい」と述べました。
周りからのプレッシャーや様々な考えがあるかと思いますが、先ずは羽生選手自身も語ったように、自分の体を考慮し無理せず目標に向かってほしいものです!