ある張り紙

神戸にあるカフェバーの張り紙がSNSで話題になっています。そのカフェバーとは神戸市中央区にあるCafe& Bar DINGOといいます。オーナーの奥様が産気づいたため、昼間のランチ営業を臨時休業しました。この時に貼ったこちらの張り紙が話題になっているのです。

凄い奥様です。多少オーナーの誇張があるのでしょうが、とてもかっこいい奥様だと思いますよね。

この張り紙を最初にツイートしたのはカフェのオーナーですが、直ちにツイッターで話題になりました。「元気な赤ちゃんが産まれますように！」「奥様と友達になりたい」「奥様、かっこいい！」など沢山のコメントが寄せられたとともに、インスパイアされた人が漫画化するなどもありました。

裏事情発覚

大いに賑わった張り紙でしたが、「この張り紙、何かが変では？」と訴えるユーザーも出てきました。そうなんです。実はこの張り紙は加工したものだったのです。そして、張り紙が加工だったという事実だけではなく、なんとこのカフェのオーナーが、神戸アニメストリートの売上金踏み倒しの岸建介氏だというのです。point 207 | 1

神戸アニメストリート事件の概要はこうです。神戸アニメストリートでは、運営開始当初より創作工房や淡路島ゴーカートなど複数の会社に対する意図的と思われる不払い問題が起きているとされています。同イベントスペースに委託する会社の大半が比較的小規模なため不払い金額と訴訟金額が釣り合わないことと、代表者が大手アニメ会社の外部役員であるため関係業界からは訴訟に持ち込みにくいことで、2017年4月現在でも問題が公になっておらず解決していないという指摘があります。また従業員に対する給料未払いもあるとされ、こちらもトラブルが表沙汰になりやすいバイトにだけはちゃんと支払うなど、問題を公にしないための手口が巧妙との指摘があリます。point 361 | 1

2017年4月6日にブログ上で告発された当初、神戸アニメストリート側は公式には回答せず連絡も取れない状態が続いていましたが、2017年4月22日に公式サイト上にて「この度は、弊社の未払金によって様々なご迷惑をお掛けしていることについて、代表取締役社長である私、岸より皆様にご説明とお詫びを申し上げます。」と謝罪文が掲載され、未払い問題が事実であることが公表されました。

つまり、代表取締役社長の岸さんは、Cafe& Bar DINGOのオーナーと同一人物だったのです。

騙されました

オーナーは過去にもあった面白い張り紙の一覧もツイートされていました。こういう「やらせ」が好きな人のようですね。そして、この件の張り紙の画像の不自然さについての言い訳もツイッターに書かれていました。

ご指摘にありました画像の不自然さに関しては昨夜の張り紙が深夜から早朝にかけての雪雨でグチャグチャになってしまってたので常連様に向けて先日使用した画像の上から文字画像を貼り付けさせていただきましたので他意はございません
それではここで一旦過去の貼り紙のラインナップをご覧ください

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— Cafe&Bar DINGO (@dingo_kobe) February 1, 2019

様々な真実が明るみに出ると、ネット上では「このオーナーって詐〇野郎の岸の事じゃないか」「なーんだ騙された、感動して損した…」「この張り紙の嫁さんの啖呵も嘘っぱちだな」「大体いくら気が強くてもこんなこと言うわけない」と、様々なコメントが上がりました。

見事に騙されてしまいましたが、張り紙の文言は確かに面白かったので創作の才はあるんでしょう。しかし、神戸アニメストリートの未払い問題が解決していないため、ネットユーザー達も不愉快に感じた人も少なくなかったでしょう。

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