女子ゴルフツアーのマスターズGCレディース(10月24―27日)開催期間中、思わぬ騒動が勃発したーー
今大会に出場した某女子プロ選手(名前は公表されていない)が、
大会開幕前に開催コースの兵庫・マスターズGC関係者に対し、「しね」などの不適切発言を行っていたことが明らかになりました。
これを受け、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長が、大会主催者やコース側に謝罪しました。
某女子ゴルフ選手の不適切発言・暴言などを受け、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が今月27日、
マスターズGCレディースが開催されている兵庫県三木市のマスターズGCで報道陣に対応。
「あってはならない不適切な発言があったということは確認できている。(関係者には)大変申し訳ないことをしましたし、おわびを申しました」
と説明し、今後は理事会で協議することを約束しました。
実は、この暴言事件が発覚したのは、
女子ゴルフ界の大御所、岡本綾子氏の“告発”がきっかけだったといい、“暴言事件”のあらましについてこう話します。
マナー悪化で今大会は風呂場にタオルを置くのをやめたところ、あるベテラン選手が、
「何で置いてないのか」とコースの関係者に食ってかかり、
「出せ」「出せない」の押し問答の末に激怒し、「頭が固い。死ね」と捨てぜりふを吐いたとのことです。
緊急会見した小林会長は、この発言を事実と認めた上で、
「現在、各所に事実確認をさせてもらっていますが、あってはならないこと。大変申し訳ない」
と平身低頭、非を認めたといいます。
では、なぜこのようなあってはならない「暴言事件」が起こってしまったというのでしょうか?
某女子プロ選手の個人的資質の問題はもちろんあるでしょう。
暴言に至った経緯、従業員とのやりとりの詳細は今のところ不明ではありますが、
どんな事情があるにせよ、人に対して「しね」と言う言動はスポーツマンとしても、人としても許されるべきことではありません。
激怒したあまり、軽率な発言をしてしまったと思いますし、ここまでの騒動になるとは思ってなかっただろうが、
やはり今回の問題を某選手個人の責任で片付けるのではなく、
女子プロゴルファー全体の問題として捉えるべき部分もあると指摘されています。
かつてプロゴルファーは中学、高校を卒業後、ゴルフ場に研修生として入り、キャディー、雑務をこなしながら先輩プロである師匠について、
ゴルフの技術を習得し、プロテストを受験するルートが王道だったといいます。
そういうプロセスを踏む中で社会性や礼儀、モラル、人間関係を身につける環境がありましたが、
昨今のゴルフ事情は変わってきているのも現状です。
最近ではジュニア育成が盛んになり、10歳に満たない頃から職業コーチに学びます。
高校時代も、トップアマになるほどゴルフ一色の日々を送ったり、
通信制として登校せずとも高校卒業の資格がとれる手段もできました。
傍らには常に親がべったりついていて、身の回りの世話をする…それがプロになっても続くといいます。
あくまでも一部の選手ではありますが、
「ゴルフだけをやればいい」、「うまくなれたらそれでいい」という主義がはびこり、
必然的に社会性やモラルを身につけることもなく世間の常識が通用しないプロが出来上がるという現象があるのではないでしょうか。
前回の渋野日向子の海外メジャー優勝で盛り上がる女子ゴルフ。
そんななか、あってはならない不適切発言があり、世間からも厳しい声や指摘の声が上がっています。
実際には、しっかりとした教育がなされ、人間性にもすぐれたプロも少なくないですが、
某女子ゴルフ選手は今、プロゴルファー生命の危機に陥っているでしょうね…。