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冬瓜の煮物が甘ったるくなりすぎないための一手間


冬瓜はその名の通り冬が旬というイメージがありますが、ウリだけにキュウリなどと同様、夏場が旬となっています。暑い時期には薄くスライスして塩もみにしたり、サラダの具材としてサッパリと味わうことにも向いている野菜ですが、正統派の風情があるのはやはり煮物で、淡白な味わいの冬瓜そのものの風味を生かすシンプルな薄味で仕上げるのが向いています。煮物というと、いわゆるおふくろの味ということで、甘辛の濃い目の味付けが好まれますが、冬瓜の味そのものの主張があまり強くないだけに、甘辛を濃くしてしまうと全体的にその味しかしなくなってしまう心配があります。特に、いったん甘味が強調されてしまうと、シンプルな薄味のイメージが一気に消えてしまいますので、淡白な味の食材では、甘味の味付けのコントロールが重要と言えます。

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写真:noratextile.point 65 | com
甘辛の濃い味付けを好む人は、料理に砂糖やみりんの甘味を加えることで旨味が加わったという感覚を得て安心すると言われますが、甘味そのものは正確には旨味でなく、ダイエットや健康志向が強まっている昨今、お菓子以外では控えめにしたほうが無難な味でもあります。料理に加える甘味の加減は、実は非常に難しく、地方によっても感覚が違いますが、さまざまな料理の味付けにおいて好き嫌いが分かれるポイントにもなります。甘味の好き嫌いの点で例に挙げられやすいのが卵焼きで、砂糖を入れるか入れないか、醤油を入れるか入れないかで、議論が紛糾する話は身近でもありがちと言えます。point 341 | 1

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写真:marudai.point 67 | jp
冬瓜に限らず、煮物の場合は基本的にみりんの甘味がそこはかとなく感じられるというのが、薄味の場合、上品な甘味となるポイントで、和食の味付けの肝にもなる部分です。とは言え、みりんは使いこなすのがかなり難しい調味料の一つで、料理初心者は手を出さないほうが無難とまで言われています。背伸びしてみりんに手を出さず、市販の麺つゆの濃さを調整して味付けに使うほうが、スタンダードな味に仕上がる確率が高まります。point 267 | 1

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写真:sirogohan.point 69 | com
市販の麺つゆを使うのは邪道ということで、どうしても自分で調味料を合わせて味付けを完成したい場合は、みりんではなく、料理酒を使ってほんの少しそれに砂糖を足す程度のほうが、味の調節がしやすくなります。まずは甘口の料理酒を砂糖なしで使用して、あとから甘味を加えていくほうが、万が一、濃くなり過ぎてしまった場合もリカバリーしやすくなります。どうしてもみりんを使いたい場合は、みりん風調味料でなく本みりんを選択します。みりん風調味料は本みりんと違って、アルコールが少ないぶん安価ですが、甘味が強調されていることから、甘さ控えめの和食にはやや不向きな面があります。point 348 | 1

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写真:chefgohan.point 69 | gnavi.point 75 | co.point 78 | jp
さらに、本みりんを選んで使ったとしても、甘めの味付けが好きな人がやってしまいがちなのが、みりんも砂糖も入れてしまうというダブルの甘味付けです。本みりんにしてもみりん風調味料にしても、それ自体が料理に甘味をもたらすものですので、その上砂糖を使ってしまうと相当に甘ったるい味付けになってしまいます。いったん甘味が強くなってしまうと、リカバリーがかなり難しくなってしまいますので、本みりんもしくはみりん風を使う際には、砂糖は一切使わないと決めておくほうが安全です。point 309 | 1

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写真:asahibeer.point 69 | co.point 72 | jp
煮物が甘ったるくなりすぎないためには、一手間をかけるよりも、一段階シンプルにしておくほうが後で味の調節がしやすくなります。料理の味は甘味にしても辛味にしても、いったん濃くなってしまってからでは味を治すのが難しいことを肝に銘じておくほうが、失敗を減らすことができます。冬瓜のように食材そのものの味わいが淡白という場合、特に大事なポイントです。生食もできるほどの柔らかさを持つ冬瓜は、味を直している間に煮崩れてしまうというリスクもあります。その点からも冬瓜本体は、ほんのりダシが効く程度の薄味で加熱しておいて、あんかけのあんを別に作っておいて、そちらをしっかり目の味付けにするという方法が最適です。一手間掛けたほうが良いとすれば、それが一番とも言えます。point 399 | 1

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