戦後最悪と言われる日韓関係。今月6日、韓国のソウル市と釜山市は、戦時中に朝鮮半島出身者を働かせたとする日本企業を『戦犯企業』と位置付け、対象企業の製品を購入しないよう設ける条例を議会で可決しました。条例可決直後、ネットやメディアで伝えられる不買運動の実態を確かめてみましょう。

売れない物、売れてる物

”ノージャパニーズ”の動きは想像以上です。まずはミョンドン。その一等地にあり、不買運動の”主役”になっているカジュアル衣料品店『ユニクロ』の店内に入ると、思った以上の閑散さ。銀座や心斎橋店とはえらい違いです。ほとんど貸し切り状態。買い物がしやすい、という店ではある意味喜ばしい面もあるが、近くのZARAやForever21、H&Mが賑わっていたのとは対照的です。韓国通の大阪のおばちゃんによると「働いているのは韓国人。暇なので自宅で待機することが多いみたい。もちろん、無給休暇。かわいそうでしょ」とのこと。現在ユニクロは有給休暇を検討中とのことです。point 290 | 1

念のため、シューズショップ『オニツカタイガー』やお好み焼き店『風月』など、その他の日本系列の店をのぞいてみますと、案の定人影はまばら。賑やかなのは大阪や東京の街角と同じように、ここミョンドンでもタピオカ店がやたらとはやっていることでした。

ソウルに住む人は「もともと不買運動はネットで若者を中心に広がっていて、最初はすぐ終わると思っていましたが、だんだん激しくなっている感じ。何でも政治と絡めて、嫌になりますね」と話します。

ユニクロより安価な衣料品店『GU』の韓国3号店がソウル市内のショッピングモール『タイムスクエア』にオープンし、割り引きセールでそれなりに賑わっていましたが、ユニクロと同じ傘下の店とあって、これもいつまで続くことやらという状況。「一番の標的にされているのがユニクロ。幹部の人が”影響はそれほでもない”と言ってから特にひどくなったよう。安くていい商品だからでしょうが。あと無印良品、ダイソーなども。わたしも先週、トヨタの店に行きましたが、お客さんはほとんどいませんでした。日産は撤退すると新聞に出てましたね」とこの状況をソウル市民は語りました。point 325 | 1

ボイコットの嵐は旅行や観光業界にも及んでいます。日本に向かう韓国人旅行について最近、仁川国際空港公社は対前年比20％ダウンと発表していましたが、実際に大阪・関西国際空港行きの便に乗ろうとする日本人の熟年夫婦に尋ねると「これまでと違い、ビックリするぐらい少ないですね。韓国語が聞こえてこない」と苦笑い。アシアナ航空のグランドスタッフも「もっと減っている印象。便によっては半減以上では」と話します。point 251 | 1

ビールも例にもれず、コンビニのCU、GS25などではアサヒやサッポロを除外するか、もしくは棚の目立たない下の方に置いています。代わりに韓国産のカスが売り上げトップに立ち、クラウドも健闘。最近はテラも人気急上昇中だというのです。

そんななかで、おもしろい現象もあるそうです。韓国のスポーツ紙、日刊スポーツは9日付で各日本車メーカーの昨年と今年の販売台数を掲載。トヨタが1326台から542台まで減っているとする一方「日本車が底を打っている中、レクサスだけが上々」との記事を載せていました。「キヤノンの一眼レフカメラなんかもそう。代わりがきかないものは売れているみたいです」との事でした。point 237 | 1

いつまで続く

日韓関係においてもそうですが、不買運動についてもまだまだ良くならない様子です。しかし、代わりのない物に関しては売れているというから不思議なものです。”政治は政治、物は物”という考え方ができれば改善されそうですが、今はまだ目処が立たない状況が続きそうですね。