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植物性たんぱく質で死亡率が低下するワケとは?!


MEC(ミート、エッグ、チーズ)ダイエットは死亡リスクを高めるという研究結果が発表されました。


写真:hoshidiet.com

一口にたんぱく質といってもソース(由来)が異なれば健康影響も異なり、植物性たんぱく質(パン、パスタ、豆類)をたくさん食べる人は死亡リスクが低下するが、動物性たんぱく質(肉、卵、乳製品)をたくさん食べる人は死亡リスクが高まるそうです。この影響は、喫煙歴、過度の飲酒、太り過ぎ、身体を動かさない、などの不健康な生活パターンを持つ人で特に顕著だったといわれています。

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写真;cp.glico.jp

研究チームによれば、食事の炭水化物をたんぱく質に置き換えることで健康上の利益(血圧やその他心血管疾患のリスク因子の低下など)があることを示唆する研究がいくつもあるが、その際たんぱく質の由来に注目した研究はほとんどなかったといいます。また、それらの研究は規模も小さく通常は研究開始時の1回しか食事調査を行っておらず、今回の研究では、1980年に開始されて以来30年以上続く米国の二つの大規模疫学研究のデータを用いて、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質が、総死亡リスクおよび疾患特異的死亡リスクに与える影響を検討したものでした。参加者13万人のうち8万5千人が女性であり、平均年齢は49歳でした。この研究ではほぼ4年ごとに参加者の食事調査が実施され、食事の変化が与える影響についても調べられるという特徴が見えました。point 420 | 1

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写真:www.whitecross.co.jp

追跡期間中に3万6千名の死亡が確認されました。そのうち、9千人が心血管疾患、1万3千人ががんによる死亡で、1万4千人はその他の原因だったんです。また、参加者の平均たんぱく質摂取量は、動物性たんぱく質が14%で、植物性たんぱく質が4%だった(これはたんぱく質1gを4kcalとしたときの総摂取カロリーに対する割合であり、例えば1日2,000kcal食べる人は、動物性たんぱく質を平均70g、植物性たんぱく質を20g食べていたということである)。研究チームが、生活習慣や他の食事のリスク要因を調整した結果によると、動物性たんぱく質の割合が10%高まるごとに、総死亡リスクが2%上昇、心血管系疾患による死亡リスクが8%上昇することが判明しました。それとは対照的に、植物性たんぱく質の割合が3%高まるごとに、総死亡リスクが10%低下、心血管系疾患による死亡リスクが12%低下することが明らかになりました。point 471 | 1

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写真:www.kyoto-nakamaru.com

動物性たんぱく質の摂取による死亡リスクの上昇は、参加者が肥満か、喫煙、飲酒、動かない生活などの不健康な要素を1つ以上もっている場合に顕著でありました。実際、完全に健康的な生活習慣を持っている人々にはリスクの違いはみられず、動物性たんぱく質の中でも比較的問題だったのは、牛肉・豚肉など赤肉と呼ばれる種類の肉であり、鶏肉や魚由来のたんぱく質は特にリスクを高めませんでした。

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写真:shoukyoudo.net

研究者たちは、「私たちは健康的な生活習慣の人々ではリスクの変化が弱くなるだろうと考えていましたが、差が全く無くなってしまうとは予期せぬ結果であった」と述べました。つまり、健康的な生活習慣を持つ人々とそうでない人々のリスクの違いには、この摂取する動物性たんぱく質の由来の違いが大きく関与していると考えてもいいでしょう。本研究結果は、人々が動物性たんぱく質よりも多くの植物性たんぱく質を食べるべきだと示唆するものです。また動物性たんぱく質を選ぶなら、魚や鶏肉を選ぶのがベターな選択といえるでしょう。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の効果の違いの裏に存在するメカニズムについては将来の研究を待たねばならないと、研究チームは今後の研究についても述べました。point 392 | 1

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