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ブックディレクターってどんな仕事?


ブックディレクターというのは聞きなれない職業だと思います。この言葉から編集者の事かと思った人も多いのではないでしょうか。簡単に言うとブックディレクターとは本をどう魅せるかを考える演出家です。一般の本屋さんでは書店のオーナーや店長さん、あるいは棚を任されている書店員さんなどがこれらの仕事をしている事が大半ですが、一部ですが独立してブックディレクターという職業をやっている人もいます。独立系のブックディレクターは、本のディスプレーを依頼主の要望に沿う形で演出していくプロフェッショナルです。

 

本のよさをいかに引き出すかという仕事


写真:BOOKSTAND

ブックディレクターとは、お客さんにいかに本を手に取ってもらうかという事を考えてその空間を演出する人の事です。
そういう意味では書店員は全てブックディレクターの側面を持っているといえます。

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写真:本づくり研究所

ただ、ここでは書店に属さず独立して本屋作り、あるいは本棚作りを請け負うブックディレクターについて説明してみたいと思います。

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彼らの仕事はまず依頼主からの要望を聞くことから始まります。多くの場合、依頼主には漠然としたイメージしかありません。例えばカフェのオーナーであれば自分の店の雰囲気に合った本を揃えてほしい、などというものです。

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写真:ウォーカープラス

ブックディレクターは実際に本棚を設置する場所に足を運び、その空間を利用する人はどういう人なのか、またそこに集う人たちにはどういう種類の本が向いているのかを独自のセンスで考えて行きます。そうして、置くための本の選定から本棚など什器の準備、その他の空間演出に必要な様々な備品や仕掛けを提案します。

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写真:Goo ブログ


写真:日経トレンディネット

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写真:ちよぴたブログ

その中には依頼主が思ってもみなかったような奇抜な発想も出てきますが、それこそがブックディレクターの腕の見せ所とも言えます。依頼主の想像の範疇にある提案であれば、何も外部に依頼する必要などないのです。依頼主の想像を越えて更に驚きと満足を提供出来るだけのセンスと技量が必要な仕事です。

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根底にあるのは本への愛


写真:HATCH

ブックディレクターに求められるのはまずは依頼者の要望を満たして余りある本のための空間演出です。
そういう点では、デザイナーやイベンターに近い能力ですが、根本的にそれらの職業と違うのは、あくまで本が中心にある事です。

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どうやってそこを訪れる人たちに本を読んでもらうか、また、その空間と利用者に合う本とは何かを常に演出の中心に置くのです。そこには、「本をもっと多くの人に読んでもらいたい」「本の良さを知って欲しい」との本への広い愛情がなければなりません。本を愛する人たちは多く、業界人は誰しも本が好きです。ただ、本に関わる人でも多くが自分が作る本や書店など、ある特定の本のジャンルや空間にその愛情は限定される場合がほとんどですが、ブックディレクターの場合には本全般への普遍的ともいえる愛情が必要です。point 240 | 1

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依頼には様々なものがありますし、そこは自分が好きに出来る空間ではありません。本に対して偏愛が強いと、どうしても自分の好みに偏った本棚作りになってしまいます。これを個性と捉えてよい方向に行く場合もありますが、それはあくまで自分の空間を持っている場合だけです。様々な依頼人を相手にする独立したブックディレクターには自身の好みを前面に出さずあくまで依頼内容に沿った空間演出が出来るだけの本への博愛の心が求められるのです。point 207 | 1

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まとめ


写真:ガリバー

今回はブックディレクターという耳慣れない職業についてご紹介しました。本を紹介する仕事といえば、書店員から書評家まで様々あります。しかし、本離れが指摘されて久しい現在においては、本の魅力を最大限に引き出す演出を出来るブックディレクターはますます注目される職業となってくるでしょう。自分の演出によって、それまで本を手にする事がなかった人が読書に親しむようになるということこそ、ブックディレクターという仕事の醍醐味であり喜びでしょう。point 280 | 1

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