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浄化のため用水路の水、抜こうとしたら…市役所に抗議電話殺到のワケとは?


茨城県潮来市内の農業用水路で10月、テレビ東京系のバラエティー番組『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』の撮影があるようです。市にとっては粗大ゴミを撤去し、バスなどの外来魚も駆除して水郷の原風景をよみがえらせる絶好の機会。しかし、バス釣りの愛好家たちは「外来種も生物」などとインターネット上で駆除に反発。市役所に抗議電話が相次いでいるようなのです。

整備目的

番組では、水をくみ上げて現れた外来生物やゴミを地域住民に協力してもらって取り除き、池などを浄化する模様です。長野・善光寺の池などでも実施されました。

テレビ東京

今回の対象は、潮来市東部を流れる幅約7メートルの用水路約1・3キロの区間。両端をせき止めて約3万トンを排水する計画というのです。この用水路にはブラックバスが生息し、愛好家たちがバス釣りを楽しんでいます。

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用水路は東関東道・潮来インター出口に近く、用水路の前にある『道の駅いたこ』(潮来市前川)には、年間200万人以上とされる鹿島神宮(鹿嶋市)の参拝者らが多く立ち寄ります。用水路は1級河川の前川に流れ込み、市街地へと通じているため、市は用水路を浄化して観光船を運航させ、道の駅の客に市街地まで来てもらいたい考えがあるようなのです。point 232 | 1

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市街地を流れる前川では、初夏と秋に手こぎの櫓(ろ)を使う『ろ舟』が往来しています。市はさらなる街のにぎわいにつなげようと、道の駅を発着する観光船の運航を検討していたところ、番組収録の打診があったそうなのです。

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市や水路を管理する『潮来市土地改良区』は、この水路に家電製品などが不法に投棄されていると見込んでいます。このため、撤去作業は担当するそうですが、専門業者による水抜き費用はテレビ局側が負担するという条件を快諾したのです。ところが、番組の予定を知った釣り愛好家を名乗る人たちが、ネット上に「もう潮来には行かない」、「(釣り客が減って)飲食店に金が落ちず経済的な打撃を受ける」などと書き込んでいる始末。市には全国から200件以上の抗議メールや電話が寄せられているというから驚きです。point 294 | 1

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pcoro報道

市の担当幹部は「潮来に日本一の水郷・水路を整備するのが目的だ。番組関係者らの協力を得て臨むので、理解してほしい」としています。

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生き物のためにも

今回の市の判断はただ番組出て「市の知名度を上げよう」という単純なものではないようです。今はまだ問題のない水路かもしれませんが、不法投棄された多くのゴミの撤去や、そこに生存していると本来の生態系が崩れるような外来種の駆除は今だけではなく、未来に残すためにもいずれはやらなくてはならない事ではないでしょうか。釣りを楽しみたい気持ちも理解できますが、生き物のためにも浄化作業を暖かく見守ることが、この先、釣りを楽しむ事に繋がるような気がします。point 227 | 1

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