ビタミンDの高用量サプリメントが、ビタミンD欠乏により肥満型だけど、それ以外はいたって健康的な若いアフリカ系米国人の動脈硬化を速やかに低下させることができるとういような研究結果が発表されました。
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硬化した動脈壁というものは、心血管疾患の発症および死亡の独立したリスク因子であり、ビタミンD欠乏もそれに関連しているとの見方があります。通常より肥満のアフリカ系米国人は、褐色の肌のためにビタミンD欠乏になり易く、ビタミンDは日光を浴びると皮下で生成するが、肌の色が日光の吸収を妨げるのです。研究対象となったのは、動脈の硬化が認められた13-45歳の若いアフリカ系米国人70名です。彼らに高用量のビタミンDサプリメントを16週間にわたって摂取させ、その効果を検証することにしました。point 319 | 1
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研究は初めてのランダム化プラセボ対照臨床試験が行われ、研究チームは、ビタミンDサプリが動脈硬化を、用量依存的に改善したことを発見しました。米国では、1日のビタミンDの必要量は成人も子供も600IU（国際単位）と規定されています（日本では成人220IU）。今回の試験では、4,000IUという6倍もの高用量が使用されましたが、研究者の博士によると、それが最も効果的であったといいます。安全に用い得る最大用量とは考えられますが、きわめて速やかにわずか4カ月で10.point 296 |
4%も動脈硬化を低下させたことも明らかになっています。試験では、2,000IUを摂取した者もいたが、その場合には動脈硬化の低下は2%程度であったといい、600IUを摂取した者では、逆に動脈硬化が0.point 99 | 1%高まりました。ですが、対照群では動脈硬化は2.point 124 |
3%上昇したので、充分動脈硬化の進行を抑えたといえるでしょうね。point 32 | 1
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研究チームは、動脈硬化の程度を標準的な方法である脈波伝播速度によって測定することにしました。研究チームの博士によると、将来的には、健診で血圧と共に脈波伝播速度の検査が日常的になる日が来るだろうと述べており、2015年に発表した別の研究によると、この集団ではビタミンDの血中濃度をより適正にするために、2,000または4,000IUのサプリメントが必要であることを示しています。また、報告書を見てみたとこと、4,000IUは、8週間で安全に適正濃度に回復させるぎりぎりの上限量です。それはまたビタミンDのカルシウム吸収促進作用に抵抗する副甲状腺ホルモンの抑制にも役立つと考えられます。point 291 | 1
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ちなみにビタミンDが動脈に良い理由は完全には分かっていませんが、多くの異なる代謝経路が関係しているのは明らかになっています。動物実験の結果からも、ビタミンD受容体を持たないマウスでは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の活性が高まることが判明しており、活性が高まると血管の狭窄が起こり易くなることで、動脈硬化のリスクが高まるという連鎖になっています。
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ビタミンDはまた、血管平滑筋の増殖促進、老廃物を食べるマクロファージの活性化、血管石灰化の抑制によって、動脈硬化を抑える方向に作用します。さらには、ビタミンDは、肥満に関連した冠動脈疾患の根底に横たわる炎症反応も抑える働きがあるので、ビタミンDが足りない人には、日光を充分に浴びることや、ビタミンDの豊富な食品を食べることが推奨されます。しかし、サプリメントもほとんどの人にとっては、安価で安全な方法のひとつといえるでしょう。point 280 | 1