先日、京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」（京アニ、本社・京都府宇治市）の第1スタジオで発生した、放火殺人事件。多数の犠牲者を出し、今も世界中から悲しみの声が集まっていますが、京アニにエールを送りたいと、京都の高校が甲子園の応援歌に京アニの曲を選んだそうです。
今月の６日に開幕する全国高校野球選手権大会に出場する京都府代表・立命館宇治の吹奏楽部が、地元・宇治市の高校吹奏楽部を題材にした京都アニメーションの作品「響け！ユーフォニアム」の主題歌を応援曲に選び、練習に励んでいるそうです。
３５人の尊い命が犠牲になった京都アニメーションの第１スタジオで（京都市伏見区）の放火殺人事件について、野球部の部員らもとても心を痛めているということで、「甲子園での演奏で、京都アニメーションと選手にエールを送りたい」と願ってこの楽曲を選曲したといいます。
「甲子園で『響け――』の曲を演奏してはどうか」そう提案したのは、地元住民だったそうです。先月１８日の放火事件発生から１０日後に甲子園出場が決まったことから、部員約７０人で話し合って「ぜひやりたい」と決め、今月１日から主題歌「ＤＲＥＡＭ ＳＯＬＩＳＴＥＲ」の練習を始めたそうです。
京都アニメーションによる、この作品は、吹奏楽に打ち込む高校生の青春を生き生きと描き、部員にもファンが多いという。クラリネット担当の１年の女子生徒（１６）もその一人で、主人公が橋の上から「うまくなりたい」と叫ぶシーンなどに共感したと話していました。
部員たちは「京アニの人が大勢亡くなり、悲しい。甲子園でパワフルな演奏を響かせ、京アニを応援する人が増えたらうれしい」と意気込んでいるということです。
立命館宇治は、組み合わせ抽選で、初戦は大会２日目の７日に秋田中央と対戦することが決定しています。あいにく吹奏楽コンクールと重なり、応援に行けなくなったため、甲子園での曲の披露は初戦突破が条件となったということで、野球部の２年生部員は「吹奏楽部に演奏してもらうためにも必ず勝つ。亡くなった方々のために全力プレーで地元を元気づけたい」と誓っていました。