ジャニーズファンの間に存在する「シンメ」という概念。これは「シンメトリー」の略で、左右対称で踊る2人のことを指す用語として用いられています。厳密に言うと似て非なるものなのですが、まぁ分かりやすく言うと〝コンビ〟のようなもの。例を挙げると、『V6』の森田剛さんと三宅健さん、『Hey!Say!JUMP』の山田涼介さんと知念侑李さん、『Kis-My-Ft2』の北山宏光さんと藤ヶ谷太輔さんといった組み合わせが『シンメ』です。
別グループのシンメ
もともと別グループだったにもかかわらず、まるで〝シンメ〟のような扱いを受ける稀有な存在もいるのです。『KAT-TUN』の亀梨和也さんと、ソロで活躍する山下智久さんがその代表と言えるでしょう。
2人が名コンビのように扱われるきっかけとなったのは、2005年に結成した『修二と彰』です。同ユニットは2人が主演するドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)のために結成され、当時の中高生を中心に大ブームを巻き起こしました。しかし、翌年に亀梨さんが『KAT-TUN』でデビューして以降、役者としての2人は差が開いていくことになります。山下さんが連ドラ単独初主演を果たした『クロサギ』(TBS系)が後に映画化されるヒット作となった一方、亀梨さんが伊東美咲さんとダブル主演を務めた『サプリ』(フジテレビ系)は〝月9〟の看板を背負いながらもパッとしない数字に終わってしまいました。
そして、09年の『1ポンドの福音』(日本テレビ系)第4話にて、亀梨さんはついに自身初の〝ヒトケタ視聴率〟を記録。翌年の『神の雫』(同系)は平均視聴率6.
2%、10年の『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)は平均視聴率8.
3%をたたき出し、当時は「低視聴率王」とメディアから非難を受てしまったほどです。一方、この間の山下さんはというと、07年の〝月9〟初主演作『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)が平均視聴率17.
3%を記録。翌年に放送開始した『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)は、18年までに3シリーズと映画が公開される最大の代表作にまで成長しました。確かに、俳優として2人を比べたとき、数字や作品の知名度で言うと山下さんの圧勝でしょう。山下さんは今でもたびたびヒット作を生み出しますが、亀梨さんはいまだに『ごくせん』や『野ブタ。』のイメージで語られます。映画化までした『妖怪人間ベム』は平均15%越えで最大のヒット作ですが、あくまでイロモノの作品です。
しかし、〝実力〟での評価は亀梨さんに軍配が上がるようで、「純粋な演技の評価でいえば亀梨さんが圧勝しています。」と関係者は語ります。亀梨さんはクールな役が多いものの、『サプリ』や『怪盗山猫』のようにチャラ男や陽気なキャラもこなせるマルチプレイヤー。一方、山下さんはどの作品も単調な低いテンションで代わり映えせず、セリフが鼻声で聞き取りづらいという致命的な欠点もあるのだとか。
評価と数字
今年4月期のドラマでも、山下さん主演の『インハンド』(TBS系)は亀梨さん・二階堂ふみさんダブル主演の『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)に数字面では勝っていました。数字と評価がウラハラで”シンメ”の2人ですが、今後も同じような状況が続いていきそうな気がします。