春に欠かせない定番の食べ物である筍ご飯は下準備が大変で味付けも難しいと感じている人も多いですがコツをつかめば失敗せずにおいしく仕上げることが可能で、普段の食事だけでなくお祝いの席や行楽のお弁当にも適していますから作り方を覚えて旬の味を満喫しましょう。
普段料理をあまりしない人にとっては大変な料理に感じるかもしれませんが、工夫次第で下準備の時間を短縮することができて手早く調理を済ませることができるようになります。
筍のあく抜きは皮つきで行う
写真:北九州市
4月から5月頃の旬の筍は外側の皮がついている状態で今まさに掘ってきた新鮮な状態で売られていることも多く、そのまま食べると強いえぐみを感じてしまうので筍ご飯にする前に下茹でしてあく抜きを行う必要が出てきます。えぐみも春の味として食べる人もいますが筍ご飯にするときには強すぎてしまうので皮ごと茹でてえぐみを抑えるようにした方がおいしく仕上がりますから、大きな鍋を用意して皮を数枚だけ取り完全に向いてしまわない状態にして穂先を斜めに切った後、縦に少し切れ目をいれてから茹でて行きます。
皮をある程度残すのは皮の中に含まれている成分である亜硫酸塩に筍の繊維を柔らかくしてくれるためで、穂先を斜めに切るのはあくが水に出やすくするためで、あくをより上手く抜くためには茹でるときに糠と鷹の爪を3本程度入れたっぷりの水で茹でるとより良いです。茹でる時間は1時間以上あった方が良くて2時間ぐらい茹でればしっかりとあく抜きできます。時間を短縮したい人は糠では無く重曹だけをいれて下茹でし、根元の所に串か箸をさしてスッと通るようであれば下茹での終了です。
写真:ウチコト
筍を茹でて切った後に白い粉状のものがでることがあり市販されている水煮にもついていますがこれはえぐみの正体であるチロシンという成分が酸化したもので、チロシンはアミノ酸ですから食べても問題ありませんが気になる場合は洗い落としましょう。
味付けがうまくいかない時は分けて調理する
写真:Yahoo!ブログ
筍ご飯を作るときはお米をといだ後に細かく切った油揚げや一口大程度の筍とニンジンやシイタケなども好みに合わせて刻んで入れ、水量を調節してダシのために昆布を10cm程度入れて酒や醤油にみりんなどで味を調節しますが炊き上がったときに味が薄くなってしまう経験をしたことがある人も多いでしょう。
写真:コトバンク
うまく味の調節ができない人は入れる調味料の数を減らした方が良く、めんつゆを使うと昆布や醤油を使わずに加減しやすくなりますし白だしを利用しても整えやすく、味見した時にお吸い物程度の濃さが出ていると炊き上がったときにしっかりした味になっています。
炊飯器に具材や調味料をいれて炊くとどうしても失敗してしまう人は、ご飯を少し硬めに炊いて筍などの具材は鍋で別に味を付けて調理し煮ものを作り、後から混ぜて筍ご飯にする方法もあります。しっかりと筍に味が染みてからご飯に混ぜるので、味が薄くなってしまう心配がいりませんし、煮ものにした時の煮汁の量を加減してご飯に加えれば好みの味に簡単に調節できるのも便利な点です。
味が濃いのが好きな人は油揚げが調味料をたっぷり吸うので、多めに入れるようにするといいですし豪華にしたいときには舞茸やレンコンに鶏肉などをプラスして、仕上げに山椒の葉を手でたたいて筍ご飯の上にのせるとほんのり香って見た目も良くなります。
まとめ
写真:宇部市
筍をおいしく食べるために皮がついたまま茹でるようにして、筍ご飯にするときに入れる調味料や作り方の工夫を知識として知っておくと他のお料理を作るときにも応用することが可能で、料理の幅が広がります。たくさん茹でて筍が残ったときには茹で汁につけたままタッパに移して保存する場合もありますが、きれいな水と取り換えてタッパにいれて冷蔵保存し、水は毎日取り換えるようにしてシミ出てきたえぐみを残さないようにするとより良いです。