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【米国】12歳の少女が友人を19か所メッタ刺し!スレンダーマン事件の真相とは?


2014年、アメリカで恐怖という恐怖を超える「スレンダーマン事件」が起きた。事件の容疑者はなんとたった12歳の少女2人だった。インターネットで語られるモンスターを真に受けて、友人を刺し殺そうとしたのである。

友人に19か所も刺された少女


写真:impressionsnote.com

事件があったのは2014年5月31日。米・ウィスコンシン州ワカシャーの森の近くを走っていた自電車乗りが、血まみれの女の子を見つけた。「助けて、刺されたの」と息も絶え絶えに訴える少女は、通報によってすぐさま病院へと搬送された。彼女は腕や脚、そして胴体を計19回も滅多刺しにされていた。傷は内臓や大動脈にまで及んでおり、あとわずかで心臓を傷つけるところまで達していた。まさに瀕死の重傷であった。被害者のペイトン・ロートナーさん(当時12歳)の証言により、すぐに犯人が逮捕された。容疑者はアニッサ・ウェイアーとモーガン・ゲイザーという共に当時12歳の少女であった。2人はペイトンさんの中学の同級生で友人でもあった。point 390 | 1

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写真:bitter-magazine.net

12歳の少女が同級生の友人たちに滅多刺しにされる――それだけでも大事件だが、容疑者2人の証言は、さらに事態を混迷させることとなった。2人は事件の動機について「スレンダーマンの手下になるため」だと語ったのだ。

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怪物・スレンダーマンの正体


写真:www.he-fumu.com

少女たちに殺人を犯させたスレンダーマンとは一体何者なのか? Wikipedia曰く、「細身で異常に背が高く、黒い背広を着た、無表情ないしのっぺらぼうの男」とのこと。彼は主に子どもをストーキングし、時には拉致したりトラウマを与えたりするという。スレンダーマンとは、いわゆる都市伝説の類で、インターネット上には彼にまつわる噂話と動画や画像が氾濫している。スレンダーマン伝説は、2009年に「Something Awful Forums」というインターネット掲示板サイトで生まれたとされる。異常かつ恐ろしい画像を作ろうという趣旨のスレッドに、遊んでいる子ども達の背後で佇むスレンダーマンの画像が投稿されたのが始まりだという。さらに、スレンダーマンによる子どもの誘拐や殺害を示唆する文章が投稿され、彼のイメージが明確に形作られた。その後、スレンダーマンにまつわるおぞましい画像や動画、恐怖の物語が次々と投稿されるようになったのである。point 492 | 1

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スレンダーマンの都市伝説


写真:gigazine.net

スレンダーマンの伝説はインターネット上で瞬く間に広まった。多くの人々はそれがデタラメの作り話だとわかって楽しんでいたが、誰もがスレンダーマンの出自を知っていたわけではない。やたらリアリティのある物語やインパクトのある画像や動画の影響もあるのだろう、実際にスレンダーマンを目撃したという証言が続出するようになったのである。

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少女たちの殺害計画


写真:pastaocnihongo.blog.fc2.com

インターネット上の冗談と悪ふざけから生まれたスレンダーマンであるが、その実在を本当に信じてしまう人々は少なからずいた。いつの世もそうだが、子どもはそういった話を信じやすく、しかも影響を受けやすい。アニッサ・ワイヤーとモーガン・ガイザーもスレンダーマンを真に受けてしまった。両親や教師によると、2人は学校でも孤立していたらしく、長くいじめを受けていたという。その一方で想像力は豊かで、インターネット上では病的な傾向を示していたという。ネット上に溢れるスレンダーマンの怪談に傾倒した2人は、やがて自分たちの忠誠心や存在を彼に示したいと考えるようになった。そして、自分たちがスレンダーマンの代わりに誰かを殺せば、彼の手下となって一緒に暮らせると思い込んだのである。さらには、自分たちが誰かを殺さなければスレンダーマンが家族に危害を加えるという妄想まで加わり、ついに2人はペイトンさんの殺害を決意した。point 486 | 1

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殺害計画実行の背景


写真:crucible29.rssing.com

2014年5月31日、ついに殺害計画が実行された。当初、殺害は容疑者の家で行われる予定だった。この前日、ペイトンさんは容疑者宅に招かれて宿泊していた。31日の真夜中、アニッサとモーガンは眠っているペイトンさんの口にテープを貼り、ナイフで刺し殺そうとした。だが、その時はためらい(後に「もう1日生きている日をあげた」と語っている)、実行には移せなかった。翌朝、2人は今度はバスルームで計画を実行しようとしたが、結局場所を家から近所の森へと変更し、そこでペイトンさんを殺害しようと決めた。かくれんぼしようと森に誘われたペイトンさんは、何の疑いもなく彼女らについて行った。point 366 | 1

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写真:twitter.com

かくれんぼの最中、アニッサとモーガンは捕まえたペイトンさんを地面に押し倒した。そして「ごめんね」と囁いてから、ペイトンさんの腕や足、そして胴体を19回刺した。2人は血まみれながらもまだ意識のあった被害者に「助けを呼んでくる」と言い残し、その場から立ち去った。その後、ペイトンさんは自力で近くの道路まで移動し、運良く救助され一命を取り留めたのである

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逮捕された二人の様子


写真:entert.jyuusya-yoshiko.com

逮捕後、アニッサとモーガンは精神障害による心神喪失状態にあったと主張し、無罪を訴えた。また、互いに「殺害計画を立てたのは自分ではない」と主張しているが、ペイトンさんに対しては謝罪を表明し、「事件を後悔している」と述べている。昨年12月、アニッサに対する判決が言い渡された。最終的に彼女は第1級殺人罪を認めていた。判決は25年間の精神病院への収容というもので、現在15歳のアニッサは37歳まで拘束されることとなる。モーガンへの判決は今年2月に行われる予定であるが、彼女はすでに精神障害の診断で入院中であるという。point 344 | 1

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まとめ

SNSなどで子どもたちが大人向けのホラーフィクションに触れ、真に受けている様子を見ていると、このような事件は今後も起きるのではないか、日本でも無縁ではないのではないかという気がしてならない。まさに現代のインターネット社会を象徴するかのような事件である。

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