2010年オフ、行われたドラフト会議で競合の末に一位で指名された斎藤佑樹投手。ダルビッシュ有投手から斎藤佑樹投手へ、日本ハムファイターズのエースの系譜が引き継がれていくものと思ったファンも多いはずです。
しかし、春季キャンプでは師弟関係を結び、ダルビッシュ投手の後ろを斎藤佑樹投手がついて回るなど仲のいい様子を見せていた両者は、わずか1年間だけのチームメイト関係で決定的な溝を作ってしまったのです。その契機となった出来事は一体何だったのでしょうか。

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◼︎仲が良かったのは最初だけ

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当時、ダルビッシュ有投手と言えば日本ハムファイターズどころか日本球界を代表するエースとして君臨していた大エースでした。そんな彼を擁する日本ハムファイターズに指名された斎藤佑樹投手は春季キャンプに突入する際にダルビッシュ投手からいろいろ教わりたい、と口にしていたこともあり、スポーツ紙は毎朝ツーショットを一面に載せるなど世間的にも注目が高かった組み合わせでした。
ダルビッシュ投手といえば身体のケアやトレーニング方法に一家言ある選手で、その調整法の一端を斎藤佑樹投手に示しながらこうやってみたらどうだ、と言っていたと言います。その一例として筋力の左右バランスを整えるため利き手とは逆の左手で行うキャッチボール、金属製のバーを用いた下半身トレーニングなどです。
斎藤佑樹投手はそれを聞いて、はい、と口では返事をするものの実践する様子がすっかりなかったと言います。さらに、強制された練習はこなすが自主的には練習を行わない、という様子を見た吉井投手コーチからこんなに練習をしない投手は初めて、とまで言われてしまいます。
大学時代のケガもあって一年目から変化球を多投し、のらりくらり躱すピッチングを行っていた斎藤佑樹投手の実力をダルビッシュ投手が評価していなかった、とも言われておりシーズンが始まる前に両者の間には溝が出来てしまいました。point 591 | 1

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◼︎シーズン中に関係にとどめが刺された

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斎藤佑樹投手はデビューイヤー、前半戦僅か3勝ながら7月のオールスターゲームに選出されます。日本ハムファイターズからはダルビッシュ投手のほか、稲葉篤紀選手なども参戦していましたが、選出されなかった同じチームの選手には前半戦8勝を挙げていたケッペル投手などがいたため、話題重視の選出、と言われても仕方のない状態でした。
そんな格の違いを感じるメンバーの中で斎藤佑樹投手はベンチからひとり、ぼんやりとスタジアムを見やる様子はネットで独りぼっち、と形容されるなど和気あいあいとしたベンチの中で一人浮いた存在でした。
シーズン中、1回を三者凡退で切り抜けながらも自己判断で降板し、中継ぎ投手たちに後を任せた試合がありました。バックヤードで左脇腹をアイシングしていたとき、そこへダルビッシュ投手がやってきたと言います。斎藤佑樹投手はその時、携帯電話でメールをしていました。その様子にダルビッシュ投手は怒り、先発投手である斎藤佑樹投手が降板した後を受け、急遽登板しながらも好投し試合を作っている中継ぎ陣を応援しにベンチに戻るように言ったと言います。
こと野球に関しての真摯さで言えばダルビッシュ投手に勝るひとはいないとはいえ、頑張っているチームメイトに対する非礼を見てすっかり失望してしまったことは仕方のないことなのかもしれません。point 577 | 1

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◼︎まとめ

坂本勇人選手、前田健太選手など、かつてはマー君世代、ハンカチ王子世代と呼ばれた同世代の選手が次々にチームの主力、タイトルホルダー、メジャーの門を叩く挑戦者となっています。日本ハムファイターズにしても、ダルビッシュ投手以来優秀な投手が次々に現れ、斎藤佑樹投手も後がなくなっています。
あの甲子園の激闘から10年、ハンカチ王子がマウンドで再び輝くその瞬間を、多くの野球ファンは心待ちにしています。北の大地での復活を期待せずにはいられません。point 285 | 1