派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われた元俳優新井浩文（本名・朴慶培＝パク・キョンベ）被告（40）の初公判が2日、東京地裁（滝岡俊文裁判長）で開かれました。
新井被告は性行為の事実は認めたうえで、「暴力は一切やってない。同意があったと思っている」と起訴内容を否認。
被害女性は「まるで物のように扱われた」と訴え、犯行の状況を生々しく証言。
双方の主張は真っ向から対立した形となりました。
起訴から半年以上たってようやく始まった裁判。
新井被告は2日、上下黒いスーツに黒いネクタイ姿で現れ、髪は短く切り揃え、ヒゲも剃ってありました。
冒頭では「まずAさんに謝罪の言葉を言いたいと思います。本当にすみませんでした」と裁判長に向かって5秒ほど頭を下げました。
2日朝には、20席用意された一般傍聴席を求めて傍聴希望者532人が集まり、抽選倍率は26.6倍となったようです。
起訴状によると、昨年7月1日、都内の自宅でマッサージ中の女性のズボンとパンツを脱がし、陰部を手でもてあそぶなどした上で性行為。
性的暴力を加えたとして2月21日に起訴され、2月1日に警視庁に逮捕されていました。
その後、保釈保証金500万円を納付し、同27日に保釈されました。
上記の起訴内容については弁護側も認めたが、女性の頭部を押さえつけ、女性の口の中に自身の陰茎を入れようとしたなどという性行為に暴力が伴ったとした起訴内容は否認しました。
証人出廷した女性は、法廷と別室を映像でつなぐビデオリンク方式で当時の生々しい状況を証言。
新井被告に施したマッサージは90分コース。
場所は寝室で、新井被告の希望で施術中は部屋の電気を消灯。
女性は「ほとんど明かりはなかった」と当時御状況を振り返りました。
では、「強制性交」とはどのような罪なのでしょうか？
強制性交の要件は、13歳以上の人に対し、暴行または脅迫を用いて性行為などの行為をした場合に、罪が成立します。
有罪になると、5年以上の懲役に処され、13歳未満の人に対し、性行為などをした場合は、脅迫や暴行の事実がなくても同様の罪となります。
新井被告は事件を受けて、新井被告が所属していた芸能事務所「アノレ」は2月5日付で契約を解除しています。
事件発覚後は新井被告が出演していた『善悪の屑』の公開が中止になったり、過去の映画・ドラマのネット配信が停止されたりするなどの余波が広がりました。
一方で、当初6月に公開を予定していた出演映画『台風家族』は、9月6日から3週間限定でノーカット上映されることが決まっており、
公式サイトによると、配給会社は映画の告知に細心の注意を払うとしており、公開時期は「新井氏の公判日程とは一切関係がなく決められた」としています。