記録的な暑さの中、令和初の国賓として来日中のドナルド・トランプ米大統領(72)をもてなすため、5月27日の19時30分過ぎから宮殿「豊明殿」で宮中晩餐会が開かれました。食後には「春秋の間」にてお茶を飲みながら歓談する「後席」を終え、大統領夫妻を見送る天皇皇后両陛下のお姿も。皇后雅子さまが晩餐会の後席に出席されたのは、2003年10月以来のこととなります。
初対面のメラニア夫人と打ち解ける雅子さま
5月27日の夜10時前、皇居・宮殿の南車寄せに、漆黒の米大統領専用車「ビースト」が停まりました。玄関で立ち止まったトランプ氏は陛下の手を握り、お礼の言葉を述べます。続いて雅子さまに笑顔を向け、じっくり時間をかけて声をかける姿が。そのトランプ氏の気持ちを汲み取るかのように、雅子さまも何度もうなずいておられました。
すると、その様子を見ていたメラニア夫人(49)が午前中の両陛下との顔合わせの時に見せたクールな顔つきとは打って変わり、名残惜しそうな表情を浮かべたのです。そして、親しみの表情を浮かべて、雅子さまに歩みよります。
メラニア夫人から声をかけられた雅子さまは、その瞬間、自ら夫人の手を握り、顔を寄せられました。夫人も自然にそれに応え、両頰を軽く触れ合わせるチークキスを交わされていました。そのあまりにも自然な流れで行われた2人のチークキスについて日米外交関係者がこう推察しています。
「雅子さまはトランプ夫妻とほぼ初対面ですが、短い時間でそこまで打ち解けられたことは驚きです。ただ、チークキスが持つ意味はそれだけではありません。
通常、フランス人などヨーロッパの人たちは挨拶でチークキスをする慣習がありますが、アメリカ人はほとんどしません。雅子さまはアメリカに長くお住まいだったので、当然それをご存じでしょう。
しかし、メラニアさんは東欧スロベニアの出身で、親しい友人にはチークキスをする文化がある。雅子さまは、そこまでご存じの上で、自ら自然な形で親愛の情を示されたのでしょう。相当に高いレベルの外交の技術をお持ちだということです」
雅子さまの気品を見せながらも動じないお姿や、トランプ大統領夫妻に対して両陛下の”親しみ”を持って接せられるお姿に「日本の天皇家の力」を実感したのではないでしょうか。
両陛下の佇まいにトランプ大統領も圧倒される
そんな微笑ましいやりとりがなされる前の27日の午前9時過ぎ、トランプ氏は、天皇陛下即位後最初の国賓として、皇居・宮殿「竹の間」で会見を行いました。
まず玄関で迎えられた両陛下の横には”通訳”の姿がありません。とても自然に、両陛下は英語で挨拶をされると、宮殿に入られる際には、雅子さま自らメラニア夫人に手を添えてエスコートする場面もありました。さらに、室内で待機されていた秋篠宮ご夫妻や安倍晋三首相夫妻のことも、両陛下自らご紹介されました。
すると、今までとは明らかに違う両陛下の堂々とホストを務められるオーラに圧倒されたのでしょうか。身長190cmと大柄で常にフランクな姿勢を見せるトランプ氏が、背筋を伸ばし、スーツのジャケットのボタンを留めて居住まいを正したのです。これについて皇室記者はこう話しています。
「トランプ氏は他国の国家元首などと重要な会議や会見を行う時に、ジャケットのボタンを留めず、ラフな雰囲気であることも多い。しかし、今回は身なりを整え、礼を尽くさなければならないというオーラを、陛下から感じ取られたのだと思います」(皇室記者)
それだけではありません。両陛下は竹の間で着席されてからも、トランプ氏とメラニア夫人にそれぞれ、通訳なしで話しかけ続けられました。途中、通訳が後ろにつくことがあったものの、通訳は両陛下の会話を聞いてうなずくだけでした。
「陛下は通訳の存在を忘れるほど熱心に会話され、途中で気づかれると、陛下が通訳の日本人男性をトランプ氏に紹介されるというシーンもありました」(前出・皇室記者)
両陛下のトランプ夫妻に興味を持って熱心に接せられる姿勢が、今回のメラニア夫人の別れを惜しむ表情を生んだのかもしれません。そんなお二人の外交力に驚きを隠せません!!