すた丼はスタミナ丼を略した名前で、醤油でしっかり味を付けた豚肉と強烈なにんにくの匂いが食欲をそそるボリュームたっぷりの丼です。生卵のトッピングが特徴で、若い男性を中心に大変な人気がありますが、最近では肉好き女子からも注目を集めています。飯増し、肉増しなど注文もできますが、普通の男性なら普通盛りで満腹になってしまうので、初めての場合は普通盛りで様子を見るのが無難です。小食な人は量が少ない、とは言っても一般的には普通サイズの「ミニ」がおすすめです。
すた丼の歴史は「おやじ」と呼ばれた先代の優しさにあった
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すた丼は昭和46年に東京の国立市のはずれにあった小さなラーメン屋で生まれました。元プロボクサーだった店主はなかなか豪快な人物で従業員に「おやじ」と呼ばれて親しまれていましたが「若い連中に腹いっぱいに食わせてやりたい」との思いから試行錯誤を重ねて生み出したものがすた丼の始まりです。豚肉と長ネギをにんにく醤油で炒めて生卵をトッピングするだけの丼ですが、その味とボリュームは若者の胃袋と心を一瞬で鷲づかみにしてしまいました。いわゆる「中毒性」のあるその味は店の前を素通りできなくさせる魅力があり、すた丼の人気で店は大変繁盛しました。しかし、おやじはチェーン店展開を望まず、自分ひとりで面倒を見切れるのは3店まで、との理由で隣接する小平と国分寺の3店舗のみで提供していました。
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現在は既におやじは他界しており、弟子のひとりがすた丼の味を引き継ぎ、この味を全国に伝えるべく株式会社化しチェーン展開を始めており今では70店舗近くを運営しています。しかし、発祥の店であるラーメン店はその数に含まれておらず、別店舗として元祖の味を頑なに守り続けています。国立市には一橋大学と東京女子体育大学、国分寺市には東京経済大学と学生が多く、すた丼はこれらの大学に通う学生たちが最低でも1度は食べる通過儀礼的な食べ物として親しまれています。
ついに公開!極秘レシピで伝説の味を自宅で再現
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そんなすた丼を自宅でも再現できる極秘レシピをご紹介しますので、近くに店舗が無くて食べられない方は是非チャレンジしてみましょう。用意する材料は2人分として、豚薄切り肉(豚小間切れ、ばら肉でも可)400グラム、長ネギ1本、生卵2小、ごはん丼2杯分、塩、こしょう、ごま油が少々、刻みのり適量です。タレとしては日本酒と中華スープが大さじ2杯、みりん大さじ1杯、おろしにんにく大さじ1杯分です。まず、お湯を沸かして豚肉に軽く火を通し余計な脂を落します。この間に長ネギを斜めに薄くスライスしておきましょう。
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タレとして用意した日本酒、中華スープ、みりん、おろしにんにくを良く混ぜ合わせておき、フライパンにごま油を入れ長ネギを中火で焦げ付かせないように炒めます。長ネギがしんなりしてきたら豚肉と混ぜ合わせておいたタレを入れて炒めます。肉にしっかりタレが馴染んだら塩、こしょうで味を調えます。丼にごはんをよそい、刻みのりを全体的にまんべんなく散らして肉を盛り付け最後に生卵を落して完成ですが、この時白身は入れずに卵黄だけ入れるようにするのがポイントです。なお、お店ではたくあん2枚が丼に乗っているので、お店の雰囲気を出すならたくあんも用意しておきましょう。再現度を上げるにはにんにくの量を減らさないことと、刻みのりを忘れないことが大切です。
まとめ
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比較的簡単に再現できるすた丼ですが、最近では「すた丼のたれ」が販売されているので、より簡単に作ることが可能です。しかし、伝説の味はやはりそれぞれの調味料を混ぜて再現したものには及びません。ニンニクにしょうがを加えてみるのもひとつですが、にんにくを入れないでしょうがだけにしてみてもさっぱりとして美味しいすた丼になります。好みに合わせていろいろ手を加え、より自分に合ったすた丼を開発し、新たな伝説を作りましょう。