寒い冬の終わりを感じさせてくれる春の味に、たらの芽があります。山菜として知られているものの、名前を聞くだけであまり実際に食べたことがない方も多いことでしょう。今ではスーパーなどでも春の味の代名詞として野菜コーナーなどに置かれている事が増えたので、ぜひとも手に入るときには食べてみて下さい。普段食べる野菜とはまた違っていて、春らしい野趣溢れる香味はこの時期だけの味わいですから、体もしっかり春を感じられることでしょう。
春の訪れを感じさせてくれる
写真:暮らしにいいこと
春が来る頃に最近見かけるようになったたらの芽ですが、昔から山菜としてよく親しまれてきていました。山菜の王様と言われるほどの人気ぶりで、もしかしたら食べたことがある方もいるかもしれません。元々はタラノキの新芽の事を指していて、山菜取りを楽しむ時だと一本につき1~2個ほどしか取れないので貴重と言ってもいいでしょう。一番上の頂芽だけを摘み取りますがこれはなぜかと言うと、側芽まで取ってしまうと木が枯れてしまうからです。まだ成長途中の幼い木だとそもそも芽を摘み取ると枯れてしまう原因となるので、高さが膝から腰ぐらいの低いものは取らない様に気をつけましょう。
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どんな場所にあるかというと、比較的日当たりの良い山の中や里山近くに生えています。一本見つければ周辺にも幾つか生えていることが多いので、見かけたら採取する前に周囲も見渡してみると良いでしょう。取る時には新芽の根元辺りから簡単にむしって取る事ができるのですが、必要に応じて摘み取りようのハサミなども持っておくとよいでしょう。木にはトゲがあるので、軍手を用意しておくと安全に採取できます。早ければ4月初旬ぐらいから見かけて、長ければ6月ぐらいまで山菜取りを楽しめます。桜の咲く頃と同じぐらいにたらの芽も出始めると言われているので、花見と合わせて出かけるのもこの時期ならではの楽しみとなりそうです。
旬の味をどんな風に味わうか
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たらの芽の食べ方で一番人気があるのはやはりてんぷらです。山菜は総じて苦味を感じられるのですが、油で揚げる事でこの苦味も旨みへと変わり、体にもじんわりと春が染み渡る事でしょう。今はスーパーでも手軽に手に入れられるのが嬉しいですが、天然ものの方が香りも食感も勝ります。フライやから揚げ、おひたしや和え物などいろんな調理ができるので、この時期ならではの旬の味としていろいろ作ってみて下さい。
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使う時にははかまと根元周りの皮が固いので外してからあく抜きをします。水に塩を加えて沸騰させてから2分ほど茹でてから冷水にさらしておきましょう。ちょっと味見をしてみたいなら、熱々のままでポン酢やしょうゆなどにつけて食べてみても、ほろ苦い味わいが癖になるほどです。かつお節やゴマを振ったりして小鉢として用意しておくのも良いでしょう。炒め物などにも使えるので、春らしい野菜炒めとして手軽に食べられますし、ハムやベーコンなどと炒めてお弁当に入れたりするのも素敵です。パスタの具材としても使えるので、山菜パスタを楽しんでみても良いでしょう。炊き込みご飯やお味噌汁の具にも入れていいので、片っ端からいろんな料理に気軽に使ってみて下さい。想像している以上に料理に合う食材なので、春の特別な食卓を演出して楽しみましょう。
まとめ
写真:asamiのお弁当。
今でこそスーパーで早い時期から手に入るようになったたらの芽ですが、山に出かけて取りに行ったものはさらに香気溢れて美味しいものです。まずは手軽にスーパーで購入して、定番のてんぷらやさっと食べられるおひたし、炒め物などで食べてみて下さい。冬の時期に眠っていた体も何となく起き出してくるような気がしますし、元気な気持ちになれること請け合いです。春だからこその貴重な味を、思う存分料理を作って堪能してみて下さい。