8月2日に日本が韓国に対し「ホワイト国」から除外することを正式に決めた中、韓国も8月12日に安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る対象国から日本を除外する制度改正案を発表しました。いわゆる日本に対する報復ともとられる改正案ですが、実効性に対する疑問の声が少なくないようです。
日本優遇国除外の制度改正案を正式に発表した韓国
8月2日に日本政府が韓国を「ホワイト国」から除外するという決議が正式になされた直後、韓国の文在寅大統領が「非常に遺憾」と、韓国でも日本を「ホワイト国」から除外す対策を練ると明かしました。
そんな中で、8月12日に韓国政府が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る対象国から日本を除外する制度改正案を発表したことで、事実上日本に対する報復をしたと思われますが、韓国にて20日間の意見公募や審査を経て9月中に施行される見通しとのことです。
日本に対する報復もむしろ韓国側が損をする？
記者会見にて成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相が制度改正の理由を「国際的な輸出管理体制の原則に背いて制度を運用したり、不適切な運用事例が繰り返し発生したりする国とは緊密な協力が難しい」と述べ、日本による「ホワイト国除外」への対抗措置であることを実質認めました。point 211 | 1
このように、韓国側も貿易制度上の措置を打ち出したことで、さらなる日韓関係の悪化は避けられない状況となりそうですが、これには韓国メディアも疑問を呈しており、輸出管理において「鉄鋼・金属など一部の品目を除いて先端素材など戦略物資の対日輸出比率は非常に低く、実効性があるかどうかは未知数」といった意見が出ています。さらに、日本への輸出を行う韓国企業の損失を増やすとの指摘もされており、このような制度は何の意味もないと強調しています。point 272 | 1
成氏は、20日間の意見公募期間中に「日本政府が協議を求めれば、いつどこでも応じる準備ができている」と述べ、今回の発表が日本側と措置撤回を交渉する切り札であることを言いたいのでしょうが、日本が先に韓国への「ホワイト国」除外を謳っている以上、これには乗ってこないと思われます。日韓関係はますます敏感になりつつあります。point 215 | 1