あなたは知っていますか?
人混みの中で、白い杖をまっすぐに掲げて立ち止まる視覚障害者。あなたは彼を見てどう思うでしょうか?
実はこの行動は「白杖(はくじょう)SOSシグナル」と呼ばれるものなんです。現在、この独特のポーズがTwitterで話題になっています。東京新聞の記事を引用しつつ、「(このサインを)見かけたら声をかけてあげてください」「この記事をシェアするだけでだれかの『困った』を解消して助けるコトができます」と呼びかけるツイートは、現在までに5万7000回以上リツイートされています。
「白杖SOSシグナル」
この「白杖SOSシグナル」はもともと福岡県盲人協会が考案したもので、視覚障害者が「今、助けてほしい」と思った時に、白杖を掲げることで周囲に助けを求めるというものなんだそうです。実は40年ほど前から存在していましたが、残念ながら今のところ世間一般ではあまり知られていない、というのが実情なのです。
一方、この「白杖SOSシグナル」については以前から反対する声もありました。そもそもこのサイン自体が、視覚障害者の間でもあまり知られておらず、このままサインの意味だけが広まってしまうと「サインを出していない=困っていない」と受け取られてしまう危険性がある――というのが主な理由でした。ツイートが話題になると、今回も「むやみに拡散してほしくない」という声が少なからず見られています。
「まだその程度の認知なのか…」
きっかけとなったのは、通行人が、街中で白杖を頭上高く掲げている人に対して、変な人を見るようにジロジロ見ながら素通りしていたため、悲しくなったという1件のツイート。ツイートを見た人からは「知らなかった」といった驚きの声や「まだその程度の認知なのか…」などと、さまざまな声が寄せられています。しかし、白杖SOSシグナルの認知度の低さが浮き彫りになったのは、これが初めてではありません。2015年12月8日の東京新聞でも、『白杖SOSシグナル』に気づかれなかった視覚障がい者のエピソードが掲載されています。では、もしこの『白杖SOSシグナル』を見かけたり、助けが必要な場合に私達はどのような対応をしたらよいのでしょうか?
声をかける時の注意点
しかし、『白杖SOSシグナル』は、健常者だけでなく、視覚障がい者の間にも広まっていないといわれています。もし、視覚障がい者が道の途中で立ち止まっていたり、困っているそぶりを見せていたりしたら、たとえシグナルを出していなくても、自ら声をかけたいものです。その場合、いくつか注意したい点があります。
声をかける時は、本人の前に立って。
声をかける前に、肩をたたいたり、腕を引っ張ったり、後ろから押したりしない。
誘導する時は、視覚障がい者に、自分の腕や肩をつかんでもらう。
ゆっくり誘導し、白杖を持つ手にふれないようにする。
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視覚障がい者の人は、周りの状況が把握しにくいため、困っていても自ら助けを求めにくいものです。しかし、一言声をかけることで助けられるかもしれません。
まとめ
声をかけることも勇気が必要ですが、あなたの助けを誰かが待っているかもしれません。
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