今月23日、北海道知床半島沖で消息を絶った遊覧船の遭難事故。乗客乗員26名のうち11名の死亡が確認されており、28日には行方不明だった15名のうち3名が発見されました。
今月27日、運航会社「知床遊覧船」社長の記者会見で判明したのは、ずさんな経営体質。
事故同日、壊れていた連絡用の無線アンテナの故障に気づき、急いで修理を依頼したとのこと。さらには、斜里町には強風注意報や波浪注意報が発令されていたにも関わらず、携帯電話や他社の無線を借りることも可能だったことを理由に、出航を取りやめなかったのでした。
「(船長の)豊田氏から午後の天気が荒れる可能性があるが、当日午前10時からのクルーズは出航可能との報告があった」 とのことで、出航を決めたと桂田社長は説明しましたが、この決断が今回のような悲惨な事態を招くこととなりました。
桂田氏が「知床遊覧船」の社長に就任後、ベテラン船長2名や運航に知悉していた従業員を解雇、その後に船長になったのが一昨年に入社したばかりの豊田氏だったそう。
そのため、同業者からも運航を不安視する声が上がっていたそうです。しかも、昨年立て続けに漂流物との衝突事故や、座礁事故を起こしているのでした。さらには、桂田社長から悪天候でも「出ろ、出ろ」と出航を命じられていたという証言も出ています。
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