愛媛県新居浜市の市立小学校が 新型コロナウイルスの感染を防ぐ目的で、東京や大阪を行き来する長距離トラック運転手の2世帯に、子どもを登校させないよう求めていたことがわかりました。
市教委で感染防止への統一した考えが共有できていなかった…⁉
新1年生を含む子ども3人は体調に問題はなかったようですが、8日の入学式と始業式を欠席しました。高橋良光教育長は「市教育委員会で感染防止への統一した考えが共有できていなかった。子どもたちやご家族、関係者にご迷惑をかけた」と謝罪しました。
市教委は新学期が始まる前に、市内の全児童の家庭に、家族や児童が感染拡大地域を訪れたかを問うアンケートを実施。運転手の家庭が「運送会社勤務で仕事で行ったが、該当するか」と学校に問い合わせると、校長から子どもたちの自宅待機を求められたという。
勤め先の運送会社の関係者から「運輸業界の社員の家族は感染リスクが高いとする職業差別になるのではないか」と指摘があり、市教委は「児童本人の健康に問題はなく、登校を優先させる」と陳謝したということです。
リスクを考えるなら 入学式自体を中止か延期をする措置を…
今回のこの報道にも多くのコメントが寄せられていますが…
実践教育ジャーナリストで 知窓学舎・スタディオアフタモード代表、矢萩邦彦さんはこう述べています。
《 学校関係者の方の話を聞いていると、儀式としての入学式の重要性を主張する方が多いですが、それならば全員参加か全員オンライン、あるいは全員延期など、全員が同じであることが重要ではないでしょうか。
今回のように特段根拠もなく、印象で判断している場合は言語道断ですが、もしリスクがあると考えるなら、入学式自体を中止か延期をする措置が望ましく、一部の生徒の参加を認めないというのは二重におかしな判断です。教育機関なのですから、尚更しっかりと根拠を提示したうえで公平な判断が求められます 》
また 新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)でスクールカウンセラーの碓井真史 さんもこう述べています。
《 子供たちのために、何が一番大切か、優先か。学校も戸惑っています。個人の権利かクラスター発生防止か、学習か健康か、心か体か、休校か学校再開か。答えは簡単ではありません。行き過ぎてしまうこともあります。
学校を再開しても、距離を取る、アクティブラーニング禁止、給食中の会話禁止など、何をどこまでやるのが正解でしょう。専門家でも意見は分かれます。
学校現場は混乱し、次々と起こる新しい事態への対応で忙殺されています。何をどう決めても、賛成の保護者も反対の保護者もいます。間違いは正すべきです。謝罪もフォローも必要です。しかし現場を責めるだけではなく、子供のためには、保護者と地域と社会が学校と教職員を支えることこそが大切です 》
その他にも、運送業は他の業種に比べ、接触機会は相当少ないのに明らかな職業差別だ、子供がかわいそう等のコメントも多く寄せられていました。