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賛否両論!補聴器をイヤホンと間違え「外せ」と注意を受けた難聴者が理解を訴える!!


先月、18万回もリツイートされ、様々な議論が勃発したことで話題となった補聴器ユーザーの訴えをご存知でしょうか。補聴器をイヤホンと間違われてしまい、警察官に「外せ」と注意を受けたことについて、「より事故の危険性が高くなってしまうので周囲の認識をお願いしたい」といった内容です。この問題は国会でも取り上げられるほどの騒ぎとなり、政府は「法においては聴覚障害者が補聴器を使用して自転車を運転することは禁止されておらず、引き続き適正な指導取締りがなされるよう都道府県警察を指導してまいりたい」と答弁してました。

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AbemaTV

7月1日に放送されたAbemaTV『AbemaPrime』では、この補聴器ユーザーのツイートを取り上げていて、交通問題に詳しい加茂隆康弁護士は「難聴者が補聴器を着けているのは正当な行為。『イヤホンと誤解するから外せ』は言い過ぎだ。道路交通法の施行細則について十分に認識していないからだと思う」と指摘しています。point 212 | 1

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関東補聴器

「どうかお願いです。補聴器をイヤホンと思わないで。自転車に補聴器を付けて乗っていたのですが、警察官に注意されたので、誤解を招かないよう説明したのですが『イヤホンと誤解するから外せ』と。補聴器を外せば何も聞こえず。事故の可能性が高くなります。どうか拡散お願いします」。

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しかし、ネット上には批判的な意見も多く、「補聴器つけなくても耳が遠いだけでしょう?」「聞こえにくくてもなんとかなるんじゃない?」といった厳しい声も見受けられました。また、最近の補聴器は機能面だけでなく、デザイン性も進歩していることから、「Bluetoothのイヤホンか何かですか?」と間違われても仕方がないといった声も上がりました。

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AbemaTV

このように、補聴器について私たちが十分に正しい知識を持っているとは言えない現実が浮き彫りとなっていて、 補聴器専門店ブルームヒアリングの礒部徳人店長は、「せっかく着けるのであればオシャレに使いたい、カラフルに気持ちを明るくして使いたいと、アクセサリー感覚で選ぶ方も増えてきており、 一方、ワイヤレスのイヤフォンを使う方も多くなっているので、非常に見分けるのが難しいというのは確かだと思う」とコメントしています。point 260 | 1

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そもそも補聴器を必要とする病気とはどのようなものなのでしょうか。『難聴』について、視聴覚障害に詳しい元筑波技術短期大学学長の大沼直紀氏はこう説明しています。

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AbemaTV

「皆さんが”耳”と呼んでいる耳介から耳掃除をする外耳とその奥に中耳炎で知られる中耳、ここまでの、音が入ってきて伝わる経路に障害がある場合を伝音性難聴と呼び、耳垢や水が溜まっていることによるものであれば治すこともできる。一方、これよりも先は内耳といって、手のつけられない場所だ。ここに障害がある場合、音が小さく聞こえなくなる上に、聞こえるけれども何を言っているのかが分からなくなるといった特徴が出てくる。これが感音性難聴だ。また、生まれてから言葉を習得し終える前に言葉を耳から習得する能力を失っているケースを先天性と言っている」point 410 | 1

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AbemaTV

その上で大沼氏は「補聴器もイヤホンも多様化し、外見上も近づいているので、誰もが間違ってしまうと思う。ただ、補聴器は補聴器らしく、イヤホンはイヤホンらしくということではないのは、社会としてはいいことだ。昔から考えれば、”補聴器を付けているのかどうか分からない”というのは技術が進歩しているからだし、そうした誤解をきっかけに皆さんの知識が増えていく、過渡期なんだと思う。当事者が自身のことを説明する力を付けていくと同時に、人々が難聴、補聴器ついての知識を豊かにしていく。時間はかかるが、そういう過程を辿らざるを得ない」と訴えました。point 333 | 1

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AbemaTV

また、同番組では実際に先天性感音難聴があり、2歳半から補聴器を使用している原弘幸さんをゲストに迎え、難聴について話を聞きました。「話し声はラジオの周波数が合っていないときのようなイメージで聞こえる。補聴器を付けていなければ怖くて出歩けない。目に入るものしか情報がなく、本当に無音の状態。後ろから車や自転車の音、人が歩いてくる音も聞こえない」と、補聴器がなければ生活することもままならない現状を説明しています。point 261 | 1

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Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

さらに、原さんが実際に、補聴器のことで嫌な体験をしたことがあるかと聞かれると、「コンビニで店員さんの声が聞き取れなかったので”なになに?”と耳を向けたら、”そのイヤホン外して”と言われた。補聴器だということを知らないという感じだった。健常者に近付こうと、言葉も喋り方も一生懸命に勉強するが、かえってそれがバリアになっている面もある」と健常者に理解されることへの難しさを語っていました。
最後に原さんは「補聴器に対して皆さんの理解が深まっていけば嬉しいなと思う。さらにろう者の側も、補聴器を使うことで社会とのコミュニケーションが深くなっていけば嬉しいなと思う」と期待を込めてコメントしています。point 397 | 1

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