2007年に亡くなったZARDの坂井泉水さん(享年40)の未公開メモを掲載した本が刊行されることになりました。10月24日にドキュメントブック「永遠 君と僕との間に」(幻冬舎)から発売。初公開のものを含む約90点の写真や、育ての親である長戸大幸プロデューサー(71)の新証言も収録される永久保存版です。
ボーカルの坂井泉水さんを中心としたユニットZARDは結成当時から極端にメディア出演が少なかったため「坂井泉水は架空の人物、本当はこの世に存在していない」という都市伝説が囁かれたりもしていました。
「負けないで」「揺れる想い」など、いまでも歌い継がれる名曲が多く、カラオケではZARDの曲を十八番としている人も多いのではないでしょうか。
2007年5月27日、悲劇はある日突然起こってしまいます。坂井さんが入院先の都内の病院で高さ約3メートルのらせん状のスロープから転落、脳挫傷のため死去したのです。あまりにも早すぎる死、享年40歳。
当時、坂井さんは2006年に子宮頸がんにかかっていることがわかり手術、翌07年4月に肺への転移がわかり再治療のため入院していたと発表されていました。
坂井さんが亡くなってから12年。45枚のシングル、20枚のアルバムを残し、彼女が生前書きためていた<メモ>がまとめられ、本になることが決定。ZARDが残した楽曲は全155曲。そのうち、151曲は坂井さんの作詞によるもの。今回本に掲載される未公開メモは、坂井さんが作詞のために常日頃書きためていたもののようです。
坂井さんの言葉は、ノートや所属事務所のメモ用紙、宿泊したホテルのレターヘッドなど様々なものに綴られ、実に500枚以上に及ぶといいます。
8月13日に「永遠 君と僕との間に」の発売情報が解禁され、またたく間にネット上には様々な意見が飛び交っています。「本人は亡くなっているわけだから、意思確認ができない。それなのに公表するのは、金儲けの道具にしている気がする」「誰かが彼女の死を商売にしている」など指摘する声も声も少なくないようです…。
美しく言えば、‶書き留める″、しかし、実際は書きなぐっており、あとでみて読み取れないものや意味不明のものなど。そのときに思い浮かんだもの、感じた思いや心情などを添えることも。もしこれが自分の死後、世の中に公開されたりしたら……「恥ずかしくっていたたまれない」気持ちでいっぱいになるでしょう。
アイデアを書き溜めたメモは、あくまで自分が読むためのもの。坂井さんもまた、自分の心の内をさらけ出したメモが世間の目にさらされることを、果たして喜ぶのでしょうか….。