『ＧＩＦＴプロジェクト』という、投資すると毎月１０万円が約束される宣伝動画をYouTubeに公開し、全国から９億円もの大金を騙しとった詐欺グループが逮捕された事件。そのやり口の巧妙さが被害にあった人への取材で明らかとなりました。
『伝説の投資家』を名乗り「毎月10万円がもらえる『ＧＩＦＴプロジェクト』に参加しませんか」といった嘘の宣伝動画をインターネット上で配信していた男らが詐欺の疑いで逮捕されました。警察はプロジェクトへの参加費名目で全国から９億円余りを集めていたとみて調べています。
逮捕されたのは、住居不定、自称自営業の八木雄一容疑者（３１）や、千葉県市川市の自営業・伊藤公一容疑者（６５）ら合わせて５人です。動画にも出演している伊藤容疑者は、動画内で『伝説の投資家・加藤浩太郎』を名乗り、証券口座を作って現金を入れるだけで代わりに運用を行い、毎月10万円以上をギフトとしてプレゼントすると説明しています。さらに、天才的な投資テクニックで月に35％以上の利回りを得ることができると主張し、総額3000万円という腕時計などを見せて投資に成功しているように見せかけています。point 304 | 1
実際に被害にあった関東地方に住む５７歳の女性は、動画で顔を出していたり、スーツを着用していたことからついつい信頼してしまい「この目を見たらわかるでしょ？みたいなことをガンガン言うと“そうかなぁ”みたいな。」と、今流行りの動画を利用した巧妙な手口だったことを明かしました。また、被害女性はプロジェクトの参加費を含めて１００万円振り込んだそうですが、「2カ月目から連絡が取れない。メールも来ない。詐欺だなと思った。」と話しています。point 274 | 1
他にも、被害にあった中国地方に住む５０代の男性は、「おととし４月くらいに『10万円を毎月ギフトします』という内容のメールを受け取った。おもしろそうだなと思い、メールに書かれていた指定の動画を見たら動画に出てきた男性の見た目に親しみを感じ、信頼してしまった」と、やはり動画の影響力は強かったようです。この男性も、プロジェクトに合わせて７０万円を振り込みましたが、１０万円は一度も送られてこなかったということです。point 262 | 1
動画を使った今回のような詐欺事件について、詐欺問題に詳しい豊川祐行弁護士は「必ず人物を詳しく調べる必要がある」と話します。「動画サイトはいま流行っていますので手軽に投稿できるという意味ではこうした詐欺動画は増えていくと思いますね。詐欺の中で動画は説得力がある。売っている人の背景や学歴とか活動が出ると見てる人が安心する。それで買わせてしまうのも大きな要因です。 」point 242 | 1
今回、逮捕された詐欺グループは、それぞれに役割分担があったことがわかっていて、“大富豪・加藤”を演じる伊藤容疑者と、動画のシナリオを作成する小久保卓容疑者（３５）、さらにお金を管理する赤松愉乃容疑者（３１）となっていたようです。動画には登場したいないものの、『ＧＩＦＴプロジェクト』を運営していたとされるのが八木雄一容疑者と笠間悠容疑者だとしています。警察は、今回の逮捕により詐欺グループが同様の手口で全国の延べ６８００人から合わせて９億円余りを集めていたとみて実態の解明を進めています。point 301 | 1