東京在住の方や仕事で東京都内によく訪れる方にはお馴染みの山の手線ですが、しっかりと路線図を把握されている方は案外少ないのではないでしょうか。オフィス街の拠点となる駅に停車し通勤や乗り換えに便利な鉄道ぐらいの認識の方も多いはずです。東京都在住の方以外にも分かるように山の手線がどういった鉄道なのか、山の手線の歴史や路線図について、鉄道としての優れている点やほかの鉄道との違いなどについて紹介していきます。
山の手線の歴史や特徴について
写真:sankei.com
山の手線の運行開始は1885年からです。鉄道の運行目的は、東京都の品川駅を出発地点として、渋谷駅や新宿駅などの東京都内の主要駅を経由することで東京都内を一周し田端駅を終点とする鉄道として運行が開始されました。車両の特徴としては緑色をベースとして製作されています。運行方向は旅客案内上、上り・下りではなく外回り・内回りという表現が用いられていることが特徴であり、環状線路の複線外側を左側走行する列車が外回りと評され、複線内側を左側走行する列車が内回りと評されています。
写真:YouTube
現在のようにスマートファンなどで簡単に乗換案内の検索ができる環境であれば問題はないでしょうが、スマートフォンが普及する前までは初めて東京に訪れた人は困惑することが多かったようです。通勤電車として利用されることが非常に多いため、平日の朝の時間帯では運行の本数が非常に多く2、3分に1本程度のペースで運行しています。また、他の路線と大きく異なる点として山の手線には各駅停車以外の路線が存在しないことが挙げられます。快速や特急などが存在しないため目的地までの距離が長い場合にはあまりおすすめできない路線と言えます。ただし東京都内では他の路線への乗換が非常にスムーズにできるため、あまり不自由に感じている方は少ないでしょう。
山の手線の主な利用用途について
写真:首都圏私鉄・JR線 撮影地ガイド
主な利用用途についてですが、前述したように通勤時の移動手段として利用されることがほとんどでしょう。とにかく本数が多いため、数本電車を乗り過ごしてもほとんど時間に影響を出さないためです。東京都内の主要駅のほとんどに停車するため、電車遅延などの際に緊急の移動手段として利用されることも多いです。始発も比較的早い時間帯からの運行であり、夜勤対応後の帰宅時に利用する会社員の方も多いです。また、山の手線と似たような役割を担っている鉄道として、京浜東北線があります。京浜東北線は埼玉県から神奈川県まで運行していますが、東京都内での路線に関しては山の手線と同じような路線を走ります。
写真:Naverまとめ
そのため、山の手線と京浜東北線の乗換は非常に楽であり、山の手線が電車遅延を起こした際には京浜東北線で代用が利くことが非常に多く便利です。山の手線には各駅停車しかないことは前述しましたが、京浜東北線には快速が存在し、停車駅に関して差分が出るため、山の手線と京浜東北線でうまく役割分担できていると言えるでしょう。また、現状では上野東京ラインが運行を開始されていますが、高崎線や宇都宮線が上野駅が終点として運行していた時には東京発の新幹線に乗車するために上野駅から東京駅までの移動手段としてもよく利用されていました。
まとめ
写真:言葉の救急箱
駅の間隔は他の路線に比べると短めであり、停車駅も多く長距離の移動にはあまり向いていません。しかし東京都内では珍しい環状型で運行している路線であることを活かし、山の手線の駅を利用したスタンプラリーなどのイベントや、山の手線一周などに挑戦する人も多かったりと多くの方に愛される鉄道の1つであることは間違いありません。今後、劇的な変化はないでしょうがこれからも今まで通りに多くの方に愛され利用される路線であることを期待しましょう。