１８日午前６時５０分過ぎ、日本最大の指定暴力団「六代目山口組」のナンバー２・高山清司若頭（７２）が恐喝罪での服役を終え、ワゴン車で府中刑務所を出所しました。出所した髙山若頭を乗せたワゴン車は品川駅へと到着すると、警察などの厳戒態勢の中で待ち構えていた報道陣のシャッター音がいっせいに鳴り響きました。
高山若頭が２０１４年に収監されて以降、「六代目山口組」「神戸山口組」「任侠山口組」の３団体に分裂、抗争状態に陥った山口組の今後を左右するとみられる最重要人物です。しかし、３人の最高幹部に囲まれるような形で品川駅の構内へと入っていった髙山若頭の姿は、殺伐とした空気はいっさい感じられず、ただただ圧倒的な存在感だけでした。１週間前には、神戸で報道関係者を装った組員による神戸山口組幹部銃殺事件も起きています。そのため、高山若頭が自身の出身母体「弘道会」の拠点がある名古屋へ移動するために車を降りたJR品川駅周辺では、防弾チョッキを着た警察官が厳戒態勢を敷き、報道陣に対しても異例のボディチェックが実施されていました。point 366 | 1
“マル暴”刑事を２５年務めていた時代に本人を間近に見たことがあり、現在は総合探偵社AMUSUに所属する川原潤一氏は、「出所の前に関東圏・関西圏で抗争事件が多発していたし、もし一般市民に被害が出れば警察の汚点になってしまう。制服だけでなく、私服警官もかなりの人数出したと思う」と警察の動きについて推測しました。また、高山若頭について、作家の沖田臥竜氏は「六代目体制が発足後、司組長が刑務所に行く（2005～2011年）など色々なことがあったが、その留守の間を守っていた人物。いるだけで組織が回るようなところがあり、最高幹部たちが立ち話をしていても、そこに現れると空気が変わる」と話します。point 357 | 1
続けて、川原氏も「一般の人からすれば単に“７２歳の人”かもしれないが、この世界の人にとっては何万人の中の頂点。カリスマ性、威圧感はかなり強い」とその存在感の理由を振り返えりました。六代目山口組にとって絶対的な立ち位置である高山若頭の出所が、分裂騒動の分岐点になる可能性は非常に高いと見られているのは、高山若頭が服役中に「とにかく山口組を一つにするんだ」と語っていたことを捜査関係者が明かしています。また、その考えは司組長と高山若頭の一貫した考えでもあるそうですが、ただ、それが抗争によるものなのか、対話になるものなのかは未だ明らかになっていないとのことです。point 339 | 1
川原氏は、「警察としては、抗争事件を起こせば、特定抗争指定暴力団という、もう一段高いランクに指定する準備をしている」と、警察はかなり警戒態勢であると話します。特定抗争指定団体とは、２０１２年施行の改正暴力団対策法で新設されたもので、対立抗争状態にあり、市民の生命・身体に重大な危害を加える恐れがある指定暴力団が指定される（指定期間は３カ月で更新可能）とのことです。六代目山口組が指定された場合には、組員は定められた「警戒区域」内の組事務所に出入りしたり、５人以上で集まったりすることはできず、違反すれば逮捕されることになります。現在、指定されている団体はありませんが、川原氏は「指定区域に立ち入ることも、集まることもできないとなると、ダメージは非常に大きい」と語りました。point 390 | 1
その上で川原氏は「山口組と一和会が分かれた時、司組長をフォローしてバックアップしたのが高山若頭だ。抗争にも長けているし、司忍組長が収監されている時期、稲川会との絆を深めたのも高山若頭だ。義理堅く、カリスマ性・行動力があり、この世界で恐れられている高山若頭に従う、という人も増えてくるだろう。反面、非常に感情の起伏の激しい人だ。司組長に対する恩義がありながら組を割った人たちを許すことはできないという気持ちもあるのではないか。だから両極端のシナリオが考えられる。一つになれば力が集中するので、行動がしやすくなる。一方、分散すると把握もしづらいし、抗争も起きるが、取り締まりやすい部分はある。私としては融和なまとまりの方に希望を託している」と分析しました。point 384 | 1
今回の騒動は、世間の関心も高まった一方で、「何故かヤクザを持ち上げるようなマスコミ記事の表現が多い。この気持ち悪い姿勢はやめるべき彼らの何を褒めるのか理解できない。」「弁当屋が弁当届けるのはNGでJRが乗せることはOKは理由を誰か教えてしかも一般市民に危険が及ぶ可能性があるんだから乗車を拒否するべきでは？」「問題ある組織や人物の内幕の記事などを延々と描くのはやめるべき。」などの報道や警察の対応に対しての疑問の声が上がっています。point 277 | 1