新型コロナウイルスの感染拡大の影響による政府からの緊急事態宣言を受け、テレビ業界も大きな大打撃を受けています。
当初はロケが休止になり、やがてはスタジオ収録も取りやめになり、各レギュラー番組は過去の総集編に切り替えられるという事態に。
さらに放送される予定だったドラマも延期になっている上、7月クールは東京オリンピック放送用に枠を開けていただけに、その穴埋め対策にテレビ業界が追われているといいます。
そこで持ち上がっているアイデアの一つがSNS上で話題になっているのですが、それは視聴者から再放送してほしい作品を募集するという企画。ところが、これが簡単には進まない事情があるとテレビ業界人は証言しています。
例えば、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル仕事の流儀」では、視聴者から再放送してほしい番組のリクエストを募ったところ圧倒的に多かったのが「SMAPスペシャル完全版」でした。
これを受け、番組Twitter上では4月29日、「たくさんの再放送リクエスト、ありがとうございます。特に #SMAPスペシャル！こんな時だからこそもう一度見たい…という気持ちは私たちも同じです。可能性、探り続けていきます」とメッセージを流したのでした。
そのほか、東京キー局の中では、唯一テレビ東京が過去に同局が放送したドラマの中で再放送してほしい作品のリクエストを受け付けていました。
視聴者のニーズに合ったものを届けられるので視聴率も見込めるはずなのですが、他の東京キー局ではこうしたリクエストは各ジャンルの番組ともに受け付けておらず、それができない”厄介な問題”があるといいます。
たとえば、ドラマの場合は昔のドラマを再放送するとクレームが来る問題があります。
今は昔と違って喫煙シーンだけでも怒られる時代、さらには権利関係が厄介なドラマとか、今は引退している人の出演シーン問題など、短期間にはクリアにできないものが多い様子。
つまりは視聴者からの再放送リクエストを堂々と受け付けて、上位のドラマを再放送すると打ち出してもいいんですが、今やると確実に食い込むのが先ほど指摘した「SMAP5人」が出ていた作品だといいます。
では、SMAPものが再放送されにくい理由とは一体、何なのでしょうか？
原因として考えられるのは、ジャニーズ事務所の圧力と言われますが実際はそうではないといいます。
そもそもジャニーズ事務所は、再放送の可否を決められる権利を持っていないため、権利を持っているのは出演者のみだといいます。
SMAPは2016年に解散したとはいえ、変わらずファンからの人気ぶりは圧倒的。
しかし、SMAPの場合は今や3社に分かれているために許可取りが大変だといいます。
「プロフェッショナル」の再放送も、元メンバーの稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の「新しい地図」は前向きといわれていますが、中居正広、木村拓哉が所属するジャニーズ事務所の意向次第というわけなのですね。
同番組では過去、2011年12月24日にNHK・BSで放送された「SMAPスペシャル完全版」をもう一度見たいという声が相次ぎ、5人が東日本大震災の被災地を訪れたり、中国・北京でのコンサートを取り上げていました。
今回も視聴者が見たい再放送リクエストにSMAPの名前が集まったが、どうやらそこには放送するのに様々な事情が隠れているようですね…。
果たして「SMAPスペシャル完全版」は再放送されるのか、気になるところですね。