長い間明らかにならず謎だったビタミンEの抗がん活性の本態が、ついに明らかになったと米国の研究者たちは発表しました。
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多くの動物実験でビタミンEにはがん予防の効果があることが示唆されてきましたが、今回の研究では前立腺がん細胞を用いた実験で、研究者らはビタミンEががん細胞の生存に必須のある酵素の活性化を阻害することを発見したといいます。その酵素の名前はAktといい、それがなくなるとがん細胞は死滅するそうなんです。研究チームは、「これはビタミンEががんの予防と治療に有効であることを示すまったく新しいメカニズムです。長年にわたってわれわれはビタミンEを摂ってきましたが、誰もなぜ効くのかを厳密には知らなかったのです」と語りました。point 320 | 1
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ビタミンEは、がん細胞に吸収されると、その部位において、Aktの活性化を抑えるために、Aktともうひとつ別のたんぱく質(PHLPP1)を引き寄せます。PHLPP1とは、腫瘍抑制因子として知られるもので、化学反応をおこしてAktを不活性化するので最終的にがん細胞は死に至る危険性を持っています。また、ビタミンEにはいくつかの種類があります。なかでもガンマ-トコフェロールと呼ばれる形態のものが、Aktを強力に引き寄せる形をしており効果的だといわれています。さらに研究者たちは、ガンマ-トコフェロールを化学的に修飾することで、さらに20倍も強力な抗がん作用を有するあたらしい物質を作り出すことに成功し、分子の構造を変えることで、いっそうAktとPHLPP1を引き寄せやすくなったといいます。point 409 | 1
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前立腺がんを起こしたマウスの動物実験で、この物質の投与により、がん細胞の増殖はプラセボ(偽薬)の場合に比べて明らかに抑えられました。このがん細胞を分析した結果、Aktの活性が抑えられていることがわかったので、培養がん細胞動揺に動物体内でも同じメカニズムが働いていることが判明したといいます。また同時に、この物質には特に毒性はないことも証明されました。
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今回行った実験は、がんの予防のために毎日摂取するための安全なサプリメントの開発であり、現在この物質の更なる改良に取り組んでいると、研究者たちはコメントしています。