最近レアアースの価格が上昇しているという傾向が出てきました。これは中国の動向によるものが大きいようです。中国政府による供給量管理体制が世界のレアアース市場に大きな影響を与えている状態が続いていますから、価格高騰を考える中国政府の意向が強く市場を支配しているからだと考えられます。レアアースの需要は世界の経済が活発になる程増えることが見込まれますし、人口増が続く世界にあっては、今後も需要は拡大することが見込まれます。
レアアースの市場は中国が握っている
写真：Weblio辞書
レアアース市場においては、中国の独占状態が今も続いているといってもいい状態です。
他の国でもレアアースが採掘できるところはあるものの大部分を保有することで、シェアを握っている中国の思惑次第で値段も決まってくる状態は続いています。さらには、レアアース関連企業を中国企業が買収するということも起きていて、この中国の寡占状態というのはまだまだ続くことになりそうです。
中国は全てを政府が管理するシステムですから、中国政府の思惑でレアアースの価格も操作されていると考えるのが妥当でしょう。
写真：ダイヤモンド・オンライン
もちろん市場で売れなければ意味がないので、売れる値段の範囲ということになりますが、レアアースは欠かすことが出来ない材料ですから、ほとんどの場合が供給側の言い値で決まってしまうことになります。
中国政府は違法採掘の取り締まり強化や環境規制の強化で採掘を絞っているということもあって、市場は高値継続というよりも高値を更新していくという状態が続いています。
写真：レコードチャイナ
代替品がないので他のもので代用することが出来ないので、この市場は中国にとってはドル箱のような市場となっているわけです。他の国としては新しい材料の開発や発見などでこの寡占状態を解決したいところなのでしょうが、なかなかそのような都合のいい材料を見つけることは出来ていません。
世界経済の活性化で需要は拡大
写真：Yahoo!ブログ
レアアースの市場は供給側が絞り込む一方で、需要は拡大しているという状態です。
世界的に景気が回復していることで、より需要は拡大してきているのです。
電子部品などもどんどんと売れ行きを伸ばしていて、ますますレアアースの必要性は高くなっているという状況です。
写真：kurume-it.ac.jp
こうなると供給側としては、ますます価格の高騰を期待して供給を絞り込むということも出来る状態です。なくてはならない必須のモノだけに他のモノで代用出来ないので、これからもこの価格上昇は続くと予想されます。需要の拡大は世界的に起きています。先進国でも途上国でもさまざまなモノが取引されるようになっているので、この景気の良さも価格高騰を後押しするでしょう。
結局のところレアアースの価格も需要と供給のバランスによって決まるので、需要が増えていて、供給がコントロールされているという状況下にあっては、右肩上がりで高騰していくということしかならないということが予測されます。何らかのきっかけで景気が激しく落ち込んだり、レアアースに変わる代替え材料が発明されるというようなことでもない限りは、この価格上昇は続く可能性が高いということになるでしょう。
新しい採掘場が中国以外から見つかるというようなことでもないと、なかなか価格が下落する見込みは少ないと考えられます。
まとめ
写真：レコードチャイナ
レアアースは価格が上昇しているところですが、この背景としては、供給側で大きなシェアを握っている中国政府が供給を制限していることや、世界的な景気回復で需要が拡大していることで、今後も上昇していくことが予想されます。代替えの材料が見つかったり、新素材の発見、新しい採掘場が中国以外から見つかるなどのことが起きれば、状況は変わるとも考えられますが、そうした気配は今のところないので、大方の予想としては右肩上がりの上昇ということになりそうです。point 218 | 1