ツイッターである男性が、ニホンアナグマのロードキル現場で、回収される親のアナグマを寂しそうに見つめる子どものアナグマの動画を公開し、そのつらい別れと悲しい現実にさまざまな声が寄せられ、注目が集まっています。悲しいですが、無責任なことはできないという男性の葛藤も語られています。
ツイートの投稿主である、勇魚屋(@isanaya223)さんが死んでしまったアナグマを見つけたのは近所の茶畑。手袋やビニール袋を準備してその場所に向かい親アナグマを回収していると、そこにまだ小さい子供のアナグマが草陰から出てきて、その様子を寂しそうに見つめながら、袋に入れられた親アナグマに近づく姿が動画におさめられています。
その子供のアナグマは人間を警戒しつつもその場から離れられないという様子で、それから数時間たった夕方でも、車の音におびえながら、まだそこでウロウロする子アナグマの姿が見られたそうです。これに対し投稿主は、「アナグマは保護対象でも無いし無責任に連れて帰る事も出来なので可哀想だけどその場でお別れです。」とコメントし、心の中で「たくましく生きてくれよ」と願い、心を痛めながらもその場でお別れとなったことが語られています。
今回のアナグマの親子の別れを生んだのは「ロードキル」と呼ばれる、車による野生動物の死亡事故です。これは野生動物の生息域に道路が整備されたことで発生している死亡事故で、近年、「動物注意」の標識がある一般道路だけでなく、侵入防止対策が施された高速道路などでも多発しており問題となっています。
また、もし運転中に野生動物に遭遇してしまった場合の対処法については、車同士の大きな事故等につながる急ハンドルは危険なため、止まって回避できない場合には衝突するしかないケースもあります。(※小型動物の場合)。そのため遭遇しやすい場所、動物の目が光って分かりやすくなるように上向きライトを状況によって使うのも有効とされています。
なお、もし衝突してしまった場合の対処法については、まず警察に連絡し、そして動物が生きている場合には素手で触らずに、動物病院や保護施設に運び(※治療費はドライバー負担)、それが難しい場合には電話で指示を仰ぎましょう。またすでに亡くなっていた場合は動物を路肩に移動し、道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡しましょう。
この投稿について、「怖いはずの人間にこれほど近づけるほど、母と離れたくない子穴熊の心情を思うとちょっと切なくなります。」など子アナグマを思う声が多く寄せられた一方で、同時にそこで起こっている悲しい現実を知って「今まで以上に運転気をつけよう」というコメントも見られました。