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「珍しい血液」を寄付し、240万人を生かしたお爺さんの「最後の」献血の瞬間


60余年の間続けてきた献血。240万人に達する赤ちゃんの命を救った「黄金の腕を持つ男」が最後の献血をし、引退することにしました。

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12日(現地時間)、アメリカCNNニュースは、 特殊な抗体で「Rh抗体」の生成を防ぐ役割を果たす‟抗D” と呼ばれるワクチンの開発に多大な貢献をしたオーストラリアの男性ジェームズ・ハリソン(James Harrison、81)が最後の献血をしたと伝えました。

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Rh抗体とは、妊婦の血液がRhマイナスで胎児の血液がRhプラスの場合に「Rh式血液型不適合」という症状が起きて、その時に母体が作り出す抗体を指します。プラスとマイナスの妊婦と胎児の血液が混ざり合った時に、異物と見なした母体がRh抗体を生成して胎児の血液細胞を攻撃します。その結果、流産や胎児の脳障害といった、重大な疾患を引き起こす原因となるのです。

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医療従事者はジェームズの血液を元に「抗D」ワクチンを作ることに成功し、毎月二回以上の献血をしてきたジェームスは計1,173件の献血で240万人の赤ちゃんの命を救いました。

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今年81歳になったジェームズはオーストラリアの献血の資格条件により献血をすることができなくなりました。

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現在オーストラリアの「抗D」ワクチンは、残りの160人の献血で作られています。

ジェームズが最後に献血をした日、彼のおかげで救われた赤ちゃんとその母親が来てくれました。

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おかげで赤ちゃんを無事に生んだ母親はジェームズに感謝の気持ちを表しました。

最後の献血で来てくれた人たちを見て、ジェームズも穏やかな笑みを浮かべました。

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ジェームズは「今日は長い旅の最後の日だと思うと、本当に悲しい」、「これまでの子供たちが世界に出て、立派な人間になっていくことを思うと非常に幸せだった」と感想を伝えました。