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耳くそはとってはいけない?

Man cleaning his ears with cotton swab


耳掃除はすごく気持ちがいいので、定期的に綿棒や耳かきで行っているという人は多いです。中にはマイ綿棒を持ち歩いて、仕事先でも耳かきをする人もいらっしゃいます。耳かきは当たり前の行為という印象をもたれていますが、実は、近年、耳くそは取らないほうが良いと言われているのです。


写真:Doctors Me(ドクターズミー)

 
そもそも耳くそと言うのは、新陳代謝によってはがれ落ちた耳の穴の皮膚、外から入ってきたゴミ・埃、耳の入り口から鼓膜までの外耳道にあるアポクリン線からの分泌物が固まったものです。耳くそといわれるくらいなので、体にとって不要なものと思っている方が多いことでしょう。ただ耳くそには、耳の健康を維持する為の大切な役割があります。

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写真:健康応援ブログ からだポジティブ

 

 

まず、外から入ってくるゴミなどが耳の奥に入らないようにブロックしてくれる役割があります。 耳の穴は小さいので、日常生活を送っていると何も入ってくる訳がないと思いこんでいる人が多いです。しかし、空気中には目に見えない埃、汚れが浮遊しているので、私たちが歩いている際に気づかぬうちに侵入してしまうのです。そのため、もしも耳くそがない場合、たくさんのゴミが耳の中に入り、雑菌が繁殖してしまいます。よって、耳を防御する為にも大切なものといえます。
それと、耳くそを取るという行為によって、耳にトラブルが起こるケースもあります。そのひとつが、耳掃除のやりすぎで、かえって耳垢で詰まってしまうことです。綿棒や耳かきで闇雲に耳掃除を行うと、内部にこびりついた耳垢が奥深くに押し込まれることになります。その結果、外耳道が詰まって聴力を失ったり、さらに深く押し込んだ場合は鼓膜が破れてしまいます。point 467 | 1

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写真:こどもっち

 
その他にも、耳かきを行うことで、耳の中で炎症が起こる可能性もあります。耳くそがたっぷりとある耳を綿棒や耳かきで掃除した場合、耳くそが耳の中に深く押し込まれる上、耳の自浄作用が備わっていない部分にこびり付いてしまうことになります。外耳に溜まった細菌、ウイルスも一緒にこびり付くことから、強い痛みや感染症が起こりやすくなると言うわけです。それと、耳の皮膚を綿棒で過剰に擦りすぎてしまうと、皮膚が刺激で炎症を起こしやすくなります。point 276 | 1

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写真:jeb-association.com

 
そして、最後に耳くそを取るという行為は、耳の乾燥を引き起こすこともあります。そもそも耳の中の皮膚、鼓膜はとても薄いので、外部からの刺激を受けやすく、とてもデリケートです。そのため、特に冬などの気温が下がる時期は乾燥しやすくなります。ただ耳くそには脂肪成分が豊富に含まれているので、耳の中にこびり付いて皮膚を保湿する効果があるのです。その反面、耳かきできれいに除去してしまうと、保湿されずに耳の中が乾燥しやすくなるということです。 このような理由から、極力耳かきはしない方が良いといえます。point 321 | 1

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写真:SUWAI

 
ただ耳くそをそのまま掃除をせずに放置しておくと、最終的に耳の中で詰まって聞こえにくくなってしまうかもと不安に感じられる方は多いです。実は、このことについては、全く心配する必要は無いのです。そもそも耳の中の皮膚というのは、私たちが全く気づかないうちに鼓膜側から耳の入口の方向にゆっくりと移動しているのです。食事やお喋りをして顎を動かすたびに、耳くそも顎の動きに乗ってゆっくりと入口のほうに出ていくのです。つまり、耳くそはエスカレーターで運ばれているかのように自然に排出されるので、耳掃除の必要がないというわけです。これは、私たち人間だけでなく、同じように耳を持つ動物でも当てはまることです。考えてみれば、動物も自分で耳掃除などはしませんが、耳くそが詰まることがないのです。
このようなことから、耳くそはわざわざ取らなくても大丈夫といえます。point 427 | 1

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