近年では夏になると、昔では考えられないほどの猛暑になる日も多く、この暑さで夏バテになってしまう人も多いでしょう。夏バテしてしまうと食欲も落ち、何も食べたくないという気分になってしまいますが、このようなときにこそスタミナをつけて夏を乗り切らなくてはなりません、そしてスタミナをつけるための代表的な食べ物としてうなぎが挙げられます。国産のものとなると値段も高く、なかなか買えないと感じる人もいるでしょう。そんな人でも土用の丑の日となると奮発して食べる人も多いはずです。夏に土用の丑の日があることから、旬は夏だと思っている人が多く見られますが、これは実は間違いなのです。
天然と養殖で旬の時期に違いがあります
写真:iZa!
うなぎの旬の時期は夏だと勘違いしてしまう人が多く見られますが、旬でもないのに土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があるのだろうと不思議に思う人もいるでしょう。これは幕末の万能学者とうなぎ屋のやり取りが大きくかかわっているといわれています。うなぎは夏場になると味が落ち脂っこくなるので、売れ行きが落ちてしまいます。この売れ行きを回復させるための販売戦略として、土用丑の日と書いて張り紙をしたところ大繁盛したことが、土用の丑の日に食べる始まりとされています。
そして旬の時期としては天然と養殖では大きく異なります。一般的に天然は毎年5月ごろから収穫が始まり12月には量が終了します。旬の時期は秋から冬にかけてで、時期としては8月から12月が旬に当たります。特に水温が下がり始める10月ごろは、冬眠に備えるためにたくさんの栄養を蓄え始めるので非常においしくなるといわれています。
写真:池田 うな智 筑紫 金うなぎ・柳川 露地池熟成うなぎ – Jimdo
また味の特徴も養殖のものとは大きく異なります。天然の味の特徴としては、淡泊であっさりとしていて脂っぽさを感じることがありません。川魚特有のさわやかな香りが感じられ、一匹ごとに味わいが異なるといわれています。しかし天然の漁獲量は減少傾向にあり近年では絶滅の恐れがあるともいわれています。このまま回復しなければ更なる価格上昇を招き、ますます手が届かなくなってしまうでしょう。
養殖うなぎの旬の時期について
写真:ふるさとチョイス
私たちがうなぎを購入する際にはスーパーやデパート、魚屋などで購入する人が多いでしょう。このようなところで目にする国産うなぎは、そのほとんどすべてといってよいほど養殖だと言われています。養殖うなぎの旬としては、一般的には5月から8月ごろの夏といわれています。これは土用の丑の日に合わせて育てているからだと言われています。しかし現在では一年中温度管理が徹底されたビニールハウスの中で育てられているため、季節によって味が変わることはほとんどないでしょう。このことから養殖については旬は特になく、1年を通しておいしく食べられるといえるでしょう。
写真:農林水産省
基本的にうなぎは消化吸収が良い食材だとされています。そのため夏バテして弱っている胃腸にも優しく、疲労回復効果のあるビタミンAが豊富に含まれているため、夏にうなぎを食べるということは、栄養学的にも大きな理由となるでしょう。そのため一般的に販売されている養殖の旬の時期が5月から8月ごろの夏といわれていることも、間違いではないといえます。
このようなうなぎですが、この先条約の対象となってしまうと漁獲が禁止され、将来的には食べられなくなってしまう可能性があるともいわれています。近年ではこのような動きから完全養殖の研究が進められているようです。2020年ごろからは完全養殖のうなぎが流通されるともいわれています。
まとめ
写真:r.gnavi.co.jp
このように天然と養殖によって、旬の時期にも違いがあることがわかりました。うなぎは良質なたんぱく源で、食欲不振の際にも不足した栄養をしっかりと摂取することができます。疲労回復効果も期待できコラーゲンも豊富なので、ぜひとも食べておきたい食材の一つと言えるでしょう。
高価な天然にはなかなか手が届かないかもしれませんが、天然であれば冬が本当の旬にあたるので、冬の風邪予防のためにもぜひおいしく味わいたいものです。