皆様は「荒川アンダーザブリッジ」という漫画をご存知でしょうか？ヤングガンガンにて2004年から2015年という長期にわたって連載されていた「荒川アンダーザブリッジ」は、二度のアニメ化に加えて、実写ドラマ&映画化もされた超面白な電波系ラブコメディ漫画です！作者はあの禁断の聖人漫画「聖⭐︎お兄さん」でも話題の中村光さん。女性らしい可愛らしさとシュールなギャグが魅力の漫画家さんです。
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一ノ宮財閥の御曹司である主人公・一ノ宮行(いちのみやこう)/リクルートは、ひょんなことから命の恩人である自称金星人のヒロイン・ニノに恋を教えてくれと頼まれます。借りを作ってはならないを家訓として教え込まれて育ってきた行は、そんな彼女の願いを叶えて大きな借りを返すべく、荒川河川敷に住むことになるのですが……、そこに住んでいたのは、ニノをはじめとしたとっても電波な住人たちだったのです！
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男であるのに超絶軍人気質な”シスター”、自称ミュージシャンな常に星型の被り物をしている”星”など様々なキャラの濃〜い住人の中でも、特に異彩を放っているのが、自称・河童の”村長”です。どう見ても河童の着ぐるみを着ただけの人間であることは一目瞭然なのですが、自身が河童であると主張してやまず、また河川敷の住人たちからも本物の河童であると信じられて疑われておりません。
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“リクルート”という不名誉な名前を行に与えながらも、彼を歓迎する村長。そんな村長に不信感満々なリクルート……と、話は進んでいきますが、実はこの村長、この漫画におけるかなりのキーパーソンなのです！全１５巻の漫画の中で、村長の正体に関してはかなり断片的に語られており、最後の最後まで読まなければわかりません。
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ニノを幼い頃から保護していたようだということ、中の人はかなりの権力とお金を持っているらしいこと、さらにさらにニノを守るためにシスターやマリアと共謀して河川敷を造り上げたことなどなど、気になる要素が少しずつ判明していく中、ついにおとずれた最終エピソード！そこで語られた村長の正体、そして彼の行動の理由には、涙を禁じ得ませんでした。
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金星人は常に二人で一つの生命体として生まれてくる。そのため、片方が死ねばもう片方はその孤独に耐えられず死んでしまう。村長の正体、それは昔、金星人の幼いニノとその片割れをさらった張本人。そしてそのニノの対である片方をショック死に至らしめてしまったその人なのでした。
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金星人は対で生まれることで常に満たされている代わりに、孤独には耐えられない。きっと金星に帰れば同じように孤独に耐えられず死んでしまうだろうと考えたニノの両親は、彼女を地球に残して帰って行きました。７０億の孤独を抱えた人間の中には、彼女に寄り添える人間もいるかもしれないという希望のために……。
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贖罪から荒川河川敷に要塞を築き、ニノを守り……そして彼女を託すことのできる相手を見つけた村長。そしてそんな彼の最後の贖罪は、ニノの片割れにもーー。
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2015年、大きな感動と笑いのうちに幕を閉じた荒川アンダーザブリッジ。その物語のキーパーソンであるときにお茶目で、ときに漢を見せてくれる村長の魅力は、説明しきれません。父のように住人たちを見守りつつも、自身の贖罪を大きな存在感を残しながらやりきったその”漢”を感じさせる生き様に惹かれる方も多いのではないでしょうか？