闇営業問題で吉本興業から契約を解消された雨上がり決死隊の宮迫博之さん(49)と、吉本から謹慎処分を受けているロンドンブーツ1号2号の田村亮さん(47)が20日午後3時から都内で謝罪会見を行いました。会見では驚くべき新事実が明かされました。
当初、宮迫さんは謹慎前に会見で事情を釈明したいという意向を持っていましたが、「吉本興業の岡本社長が『お前、テープ回してないやろなと。お前辞めて、1人で会見したらええわ。やってもええけど、ほんなら全員クビにするからなと。おれにはお前ら全員クビにする力がある』と言われました。何も言えなくなりました。それが(6月)24日です」と、吉本興業の岡本昭彦社長が脅しともいえる圧力があったことを明かしました。
その後、宮迫さんは身動きが出来なくなり会見しないまま、謹慎期間が過ぎ、ワイドショーなどで報じられる芸人仲間のコメントを見るうちに、「もう一度会社に、引退しても会見をさせてくれと言いました」と行動を起こしたそうです。
7月8日には「僕と亮君が(岡本社長のもとに)行き、僕が全責任を負い、引退するので謝罪させてくれと岡本社長に嘆願しました」と再び岡本社長の元へ願い出たようです。
しかし、岡本社長は「『引退させない。させるわけにはいかない』。そうおっしゃり『謝罪会見はさせてやる。その代わり、期間はこちらで。いつになるか明言できない』と言われました。僕らは1日も早くとお願いしました。でもこちらで決めると。僕は会社のためにもすぐやるべきですと言いました」と、訴えたのにもかかわらず会見させてもらえないままだったようです。
不信感が募った宮迫さんと田村さんは、それぞれ自分たちに弁護士を付けることを選択したといいます。
そうすると、会社側から宮迫さんと田村さんの弁護士に、「2人の引退会見か、2人との契約解除のどちらかを選んでください」という内容の書面が送られてきたというのです。
しかし、引退ではなく謝罪会見をしたいと考えていた宮迫さんらはどうしていいか分からなくなったという。
引退会見を拒むなら2人の契約解除は揺るがないと言われ、「そうならば会社を辞めて自分たちで会見しよう」という判断に至ったようです。そして、謝罪会見では冒頭、宮迫さんと田村さんが頭を深々と下げて謝罪。
宮迫さんは言葉を詰まらせながら「何よりも詐欺の被害にあわれた方々に、とんでもない不快なつらい思いをさせてしまっていることを、おわびさせてください。世間のみなさま、我々のことを応援してもらってる方々、とんでもない迷惑をかけている関係者の方々、不快な思いをさせている全ての方々におわびさせてください。本当に申し訳ありませんでした」と語りました。
また、田村さんも、当初はお金はもらっていないと“うそ”の説明をしていたことを認め「僕の弱い、人としてダメな部分で虚偽の説明をしてしまった。その言動で不快な気持ち、不信感を抱かせた全ての方々に申し訳ございませんでした」と謝罪しました。
今回の会見で注目されたのは、6月8日にはお金をもらっていた事実を吉本興業側が把握していたのに、6月24日まで発表していなかったという部分。
これに対して宮迫さんは、「6月8日以降も闇営業の問題は大きくなり、その中で詐欺被害者から奪われた金を受け取っているのではないかという報道もあり、情けなく、申し訳なく自分のことが許せなくなった」と話しています。
吉本興行側は今回の会見について関わっておらず、内容についてもまだコメントしていません。また、吉本興業はこれまでホームページで情報発信するのみで、会社として正式な会見は開いてきませんでした。闇営業の問題を巡っては、週刊誌の報道を受けてから処分を段階的に発表するなど、対応が後手に回っていました。
吉本興業の岡本昭彦社長はダウンタウンのマネジャーなどを経て、多くの芸人を育ててきたようです。また、吉本興業の複数の関連会社の経営にも関わる実力者だと言われています。
吉本興業は6千人近い芸人を抱えお笑い界に“帝国”を築いてきましたが、人気芸人2人を契約解除したことで帝国崩壊につながりかねない状況となっています。今回、会見で2人の発言で明らかになった吉本興業の圧力が明らかとなり、今後の経営責任が厳しく問われそうです。