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三鷹ストーカー殺人で問題になった「リベンジポルノ」はどんな犯罪にあたるのか


リベンジポルノとは復讐目的で元恋人や元配偶者のなどの裸の写真や動画をインターネット上のSNSなどを通じて拡散させる行為を指します。リベンジポルノが社会問題として広く認識される契機となったのは、三鷹ストーカー殺人事件です。元恋人関係にあった高校生にしつこく付き纏い、ストーキング行為をする過程で、犯人はリベンジポルノを頻回に繰り返していたことが発覚し、従来のストーカー規制法では十分な対策をとれないことが判明し、リベンジポルノ被害防止法が制定されました。

写真:youtube.com

◼︎リベンジポルノを広しめる契機になった三鷹ストーカー事件とは

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写真:ringosya.jp

ことの発端は2011年10月ごろ、登録制のSNSを通じて大阪在住の犯人Aと被害者Bが知り合うきっかけを持ち、同年12月から遠距離恋愛を開始したことにあります。約1年間交際を継続する中で、Bに買い亜街留学の話がもちあがり、一旦恋愛関係は途絶えることになりました。2013年にはBは留学を終えて帰国しますが、それを聞き及んだ犯人Aは執拗に復縁を迫るようになります。度重なる復縁要求に辟易したBは2013年6月ごろには携帯電話を着信拒否し、連絡を完全に途絶することを決意。他方で、連絡をBの姿勢に決定的な別れの決意を看取したAは激高し、2013年夏ごろには殺害計画を立てるようになり、計画実現のために当時のアルバイト先を無断欠勤し、同年9月27日被害者Bが居住していた東京へ高速バスで上京、翌28日には都内で殺害の凶器になる刃渡り13センチのペティナイフを購入しています。Aが三鷹市の自宅すぐ近くに潜んでいることを探知したBは10月4日に在籍高校の教師に相談し、翌日8日には両親とともに三鷹警察署に被害を相談。警察署はAと連絡を試みるも連絡は取れず。その間、Bの自宅に侵入しクロゼットに身を隠し殺害の機会をうかがっていた犯人Aは、同日夕方学校から帰宅したBを、ペティナイフで襲撃。首や原を滅多打ちにされたBは出血多量で死亡します。point 576 | 1

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写真:madam-recipe.com

◼︎リベンジポルノ被害防止法とは

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写真:youtube.com

この事件において、犯人Aがリベンジポルノ行為を繰り返したのは、犯行前の7月22日にアダルト動が旧友サイトに動画をアップロードを行ったのを皮切りに、犯行直前から逮捕されるまでの10月2日から8日にかけての期間です。裁判においては殺人のみならずリベンジポルノ行為は児童ポルノ規制法を訴因に追加されて、懲役22年の実刑判決が確定しています。しかし今回のようなリベンジポルノは18歳未満の女性だけでなく、成人女性に対してもその問題になることは十分に想定されます。現に18際医未満の少女に限らず、成人女性のリベンジポルノについても法的手だてを行うべきとの声が強まり、リベンジポルノ被害防止法が制定されました。
リベンジポルノ被害防止法は、第三者が被写体を特定できる方法で、プライベートにおいて撮影された性的画像記録を不特定または多数の者が閲覧できる状態に提供した者に3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すと定められています。さらに何らかの経路で当該画像を入手し、拡散目的で第三者に提供した者についても1年以下の懲役または30万円以下の罰金を科すとされています。このように年齢を問わずに性的画像をSNSなどにアップロードする行為は、規制の対象になります。そして拡散目的で画像を投稿する行為も規制の網にかけることでリベンジポルノの拡散を可及的に防止する手だてがとられています。point 597 | 1

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写真:youtube.com

◼︎まとめ

三鷹ストーカー殺人事件を契機に、世の注目を集めることがなかったリベンジポルノは深刻な社会問題と認識されるようになり、規制法の成立をみました。制法成立後もリベンジポルノ投稿により検挙されることが繰り返されている現状をみると、リベンジポルノは決して解決を見た問題とは言えない状況であることは確かです。ことが男女関係に淵源するだけに誰もが当事者になる可能性があります。一度でおネットの世界に流出すれば投稿画像を消し去るのは至難のわざです。特に動画撮影には一層の慎重さが求められます。point 307 | 1

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