以前から世界的に問題視されている「母乳売買」。現在、その問題が日本でも広がりを見せているようです。
母乳の栄養面での利点などから、赤ちゃんは母乳で育てるべきとする社会的風潮がある中、母乳が出ない母親に代わって別の女性が母乳を提供するために設立された”母乳バンク”。欧米をはじめ、インド、中国などは次々に母乳バンクが設立されていきました。
この”母乳バンク”は日本でも広まりつつあるらしく、「寄付」された母乳は、定められた機関から、殺菌のほか病原菌、有害物質の厳正なチェックを行ったうえで母乳が出ない母親へ送っているようです。
そんな中、ネットを通じて一般の女性が母乳を売買するケースが増えてきているようです。
Twitterで「#母乳売ります」と検索をかけると、次々に表示される母乳販売アカウント。厚生労働省からは「インターネット等で販売される母乳を乳幼児に飲ませると、病原体や医薬品等の化学物質等が母乳中に存在していた場合、乳幼児の健康を害するおそれがある」と注意喚起が出ています。
しかし、母乳販売アカウントのツイートを見てみると、驚くことにターゲットは母乳が出にくい体質の女性ではなく、母乳フェチの”男性向け”だったのです。
ある記者が、母乳販売アカウントを運用する女性に取材をしたところ「どうせならたくさん出る母乳を売ってお小遣い稼ぎしようと思い始めた」「身バレ（身元がバレること）を防ぐために顔出しもしておらず、危険にさらされる心配もない」と答えていたようです。販売方法も、”母乳バンク”同様、冷凍保存したものを送っているんだとか…
厚労省が数年前に行った注意喚起では「母乳を通じて感染する可能性がある病原体の例」としてHIV（ヒト免疫不全ウイルス）や、HTLV-1（ヒトT細胞白血病ウイルス1型）が挙げられています。他にも、昭和大学江東豊洲病院と一般財団法人・日本食品分析センターが、販売されている母乳を検査・分析したところ、粗悪なものでは細菌量が最大1000倍も検出されたそうです。
衛生面でも問題のある母乳売買。SNSが普及している今だからこそ、さらに問題視していく必要がありそうです。
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