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またもや素人が絵画修復を大失敗?!相次ぐ素人によるアート修復の規制を訴え


絵画や彫刻などの芸術作品は時間が経つにつれて劣化してしまうために、大事な作品を今後も綺麗に残すために定期的な修復作業を行う必要があります。しかし、その修復作業が専門の知識と技術を持った人ではなく、ただの素人に任されてしまうケースもあるのです。

BBC.com

そんな素人による芸術作品の修復事例が相次いでいるスペインで、またも「素人による修復作業で芸術作品が台無しになってしまった」という事例が報告されました。

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2012年、エリアス・ガルシア・マルティネスのフレスコ画「この人を見よ」の修復作業を素人である80歳のセシリア・ヒメネスさんが行い、「まるで血色の悪いサルのようなキリスト」が誕生してしまいました。

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また、2018年には16世紀に作られた木彫りの聖ジョージ像の掃除を美術教師に任せたところ、美術教師が誤った塗料を使って修復作業を行い、彫刻を台無しにしてしまうという事態もありました。結果的に彫刻は専門の機関に修復が依頼され、木像はほぼ元どおりにされました。

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このように素人による芸術作品の修復失敗が多数報告されているスペインで、新たに悲劇が怒りました。ある美術収集家は、バロック期の画家であるバルトロメ・エステバン・ムリーリョの作品「The Immaculate Conception of Los Venerables」の複製画を修復するために、家具修復業者に1200ユーロ(約14万5000円)を支払い修復をお願いしました。point 242 | 1

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ところが、修復された絵画に描かれていた聖母マリアは、明らかに元の絵画とは似ても似つかない状態に。

持ち主は腹を立て、元通りに復元するように命じました。しかし、再度の修復もやはり失敗し、聖母マリアの原型がないほどの、ただのおばさんのような顔になってしまったとのことです。

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ガリシア文化遺産保護修復学校のフェルナンド・カレラ教授は、こういった芸術作品の修復失敗例は適切な訓練を受けた修復者のみが作業を行う必要性を強調していると指摘しました。「私はこの男、または彼らが『修復者』と呼ばれるべきではないと考えています。正直に言いましょう。彼らはヘタクソで芸術作品を台無しにします」と、カレラ教授はコメントしています。point 231 | 1

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また、スペイン保守修復専門家協会のバレンシア支部副会長のマリア・ボルハ氏は、「残念ながら、このような事例は皆さんが思っている以上に一般的です」と指摘しました。

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芸術作品の修復失敗は、ソーシャルメディア上で拡散された時だけ注目を浴びるものの、周囲に拡散しない素人修復家による失敗事例も多々あるとボルハ氏は述べました。素人修復家による作業で芸術作品が受けた損傷は、専門家でも元に戻せないこともあるとのことです。

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修復を任せるときは慎重にならないといけませんね…