低炭水化物ダイエットは、減量だけでなく心臓血管系疾患のリスクを下げるためにも、低脂肪ダイエットより効果的だと、米国の研究チームは報告しました。
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心臓血管系の病気(心臓マヒや脳卒中)は米国人の全死因の1/3を占めているのですが、実は日本でも4人に1人がこれらの病気で死亡しているのが現状です。そもそも肥満というものは、これらの病気のリスクを高める要因のひとつで、ダイエットをすることによって、そのリスクも下がることが期待されています。
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医学的に認められたダイエットは、三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)もしくはその特定成分の摂取に着目して分類されることが多いです。もっともおなじみの方法は、脂質の摂取を制限する「低脂肪ダイエット」です。その次に有名なのが炭水化物(糖質)の摂取を制限する「低炭水化物(糖質制限)ダイエット」です。また最近では、炭水化物と脂質の両方を制限する「高たんぱく質ダイエット」にも注目されています。
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中でも、低炭水化物ダイエットは米国ではセレブなどにも人気のダイエット法のひとつといわれており、アトキンス・ダイエットやゾーン・ダイエットをはじめとしてさまざまな方法が提案されています。これらは減量に有効であることは既に証明済みと考えていいでしょう。しかし、炭水化物に代えて通常は脂肪を多量に摂ることになるので、心臓や血管に対する健康影響についての懸念がありました。そこで今回研究チームは、低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットについて、減量だけでなく心臓血管系への健康影響の比較を行うことにしました。
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研究チームは、心臓血管疾患と糖尿病の既往のない148人の肥満の男女を集めて、ランダムに2群に分けました。一方の人々は低炭水化物ダイエット(1日40g以下)、もう一方の人々は低脂肪ダイエット(1日脂肪エネルギー比率30%以下、飽和脂肪酸7%以下)を割り当てられ、1年間にわたって定期的に個人及びグループで食事カウンセリングを受けました。1日の総摂取エネルギー量を2,000kcalとすると、炭水化物40g(160kcal)はエネルギー比率8%に相当します。通常の日本食では炭水化物が55-60%以上を占めるので、これがいかに少ない量かわかるでしょう。データ解析の結果3,6,そして12か月の時点で、低炭水化物群は、低脂肪群よりも常に平均体重減少量が大きかったことが明らかになりました。12か月後には、低炭水化物群の参加者は、低脂肪群に比べて体重減少量が平均で3.
5kg多かったです。3か月および6か月の時点では、低脂肪群のほうがウエストが細くなっていましたが、12か月後には、両群のウエストに差はなくなっていたそうです。
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また全体的にみて、心臓血管系の疾患リスクの血中指標は、低炭水化物群のほうでより低下していたことがわかりました。低脂肪群に比べて、体脂肪率が-1.
2%少なく、トータル-HDL-コレステロール比率が-0. 44低く、中性脂肪が-0.16 mmol/L低く、HDL-コレステロールの濃度は大幅に上昇(7.
0 mg/dL)していたといいます。これは低炭水化物ダイエットのほうが低脂肪ダイエットよりも心臓や血管に良い健康影響を持つことを示唆しています。低炭水化物ダイエットは、低脂肪ダイエットより効果的に体重を減らせるだけでなく、心臓血管系の疾病リスクも下げることができるようだ、と研究チームは結論しています。[著作権者VONVON /無断コピー、無断転載および再配布禁止(違反時の法的措置)]