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映画「蛇にピアス」のラストシーンはどういう意味!?


芥川賞を受賞し、大ベストセラーにもなった書籍である蛇にピアスは映画化され、それまで書籍を読んだことがないという人でも気軽に原作を辿って本作品を楽しめるようになりました。蛇にピアスは文学作品であるため、抽象的な表現が多いですし、原作を読んだだけではわからなかったというシーンも映画化されたことによってより解釈がしやすくなったという声は非常に多くあります。そんな蛇にピアスという作品ではありますが、ラストシーンは一気に展開が進みますし、ハイペースで展開されるものの、説明などが一切されないため、どういうことなのかわからずに気がついたら終わってしまった、と感じる人は少なくありません。映画版の蛇にピアスのラストシーンは一体どういうことなのか、ということについて詳しく解説を行っていきます。

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写真:natalie.point 61 | mu
映画版で一気に展開が早まるのは、アマの遺体が発見されたあとになります。アマは体中に傷を負った状態で発見され、犯人は不明ということになっているのですが、実はその後の展開を注意深く見守っていくとアマを殺害したのは友人のシバであることがわかります。アマの遺体には珍しいお香が刺さっていたのですが、ルイはこの珍しいお香と同じお香をシバの部屋で発見してしまいます。通常ではなかなか入手できないお香がシバの部屋にあったということは暗にシバが犯人であることを示しているのです。point 294 | 1

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写真:roppongi.point 68 | keizai.point 75 | biz
その後、ルイは警察の捜査がシバに及ばないようするために、シバをかばうために新しいお香を用意します。そしてその後ルイとシバは同棲生活をはじめ、最初は拒んでいた入れ墨に目を入れるという施しをシバから受けることになります。ずっと拒んでいた目を入れる施しを受けることでルイの中で何かの決意が固まったことが窺い知れますし、その後さらに急ピッチで物語が進んでいきます。point 256 | 1

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さらに展開は進み、ルイはアマとの愛の証である歯を粉々に砕き飲み干します。これは愛するアマを自分の体内に取り入れたということを意味しており、ルイはまだアマのことを忘れられていないということが読み取れます。
その後、ラストシーンでは交差点の真ん中でルイがうずくまり、このシーンを最後の蛇にピアスの映画は終了します。

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写真:cinema.point 66 | sugai-dinos.point 78 | jp
ラストシーンまでの道のりが急ピッチになったことと抽象的な終わり方のせいであっけにとられてしまった視聴者は多いでしょうが、それまでの道のりを整理してラストシーンについて考察を行いますと、ルイはアマがいなくなってからもぬけの殻のようになってしまいましたが、入れ墨に目を入れること、そしてアマとの愛の証である歯を体内に取り入れたことで、アマの意志を受け継いでいくことを決心しますし、それと同時にそれまできちんとアマと会話をしてこなかったことを後悔します。point 304 | 1

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写真:ameblo.point 66 | jp
忘れられない恋人を殺害したシバをかばい、敢えて一緒に生活をすることでアマの懺悔を行うとともに、自分自身へ罰と戒めを与えてこれから生活を送っていくという意味が込められていると考えられますし、人と人とがわかり合うためには会話が大切だということを発信しているラストシーンだと考察を行うことができます。point 215 | 1

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写真:ameblo.point 66 | jp
最終的には、人はなぜ生きるのか、生きることの意味はどこにあるのか、人と人とのつながりとは一体何なのか、ということを投げかけている作品であることに疑いの余地はありませんし、これらのメッセージを独特のスタイルで表現した結果、蛇にピアスの映画ではあのようなラストシーンになったと考えることができます。もともと芥川賞を受賞した文学作品ということもありますし、考察や解釈の仕方は人それぞれです。映画を見た時の年齢や状態などによって様々な解釈ができるため、繰り返し視聴して、その都度考察をすると面白いでしょう。point 317 | 1

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