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韓国のネットスラング「kkk」実はアメリカでは違う意味がある


国境が感じられないインターネットの世界でも、国によって異なるさまざまなネットスラングがあり、それぞれの国や言語によって意味の取りようが全く別になってしまうものも存在します。たとえば、日本では笑っていることを表現するのは「(笑)」のほか、「www」のようにwを重ねて表します。これがタイになると、「5」=「ハ」と読むことから「555」=「ハハハ」という笑い声となり、笑っている様子になるのです。同様に、中国では「WuWuWu」、英語圏では「lol(Laugh out loud=大笑い)」など、その地域でのみ通じるようなネットスラングが各地にあります。日本のお隣、韓国においては「kkk」と、「ククク」という笑い声で笑っていることを表します。

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写真:bns.point 57 | plaync.point 64 | com
「kkkkk」のように多数kを重ねれば大爆笑していることになるのですが、これが三つの場合の「kkk」は国際的に使うには実は問題がある表記なのです。かなり深刻なタブーに触れてしまうこの表記、いったいどういったものなのか、アメリカにおける「kkk」の意味について詳しく見ていきましょう。アメリカにおいて「kkk」と表記した場合、「クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)」のことを指すのが一般的です。これは19世紀に結成されたアメリカのもっとも有名な秘密結社であり、「白人至上主義」を掲げて有色人種、とくに黒人に対して苛烈な迫害を加えたため悪名の高い集団です。point 349 | 1

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写真:www.point 63 | inven.point 69 | co.point 72 | kr
初期のKKKは南北戦争当時に存在し、黒人奴隷の解放に反対する勢力として活動していました。結局北軍の勝利によって黒人奴隷は解放し、一時期その勢いをひそめます。しかし結社は解散せず、その後も息長く活動を続けることとなります。復活の兆しが見えたのは第一次世界大戦のとき、ナショナリズムの風潮が強くなり、アメリカに当時流入していた黒人以外のヒスパニックやユダヤ系住民に対して敵意が向けられやすい世相を反映してKKKは勢力を拡大しはじめます。有名な、白ずくめで三角のマスクをかぶった姿はこの時以来のものと言われています。point 329 | 1

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写真:bokete.point 66 | jp
この後激しく黒人等に対する弾圧を繰り返した彼らですが、第二次世界大戦が近くなると黒人も兵士としての地位の向上が見られ、再び勢力を失い、いっときは消滅したように見えることもあるほどでした。第二次世界大戦が終結し、平和が長く続くにしたがってKKKは消えていきます。しかしごく近年になり、ナショナリズムが再び高まり「米国第一主義」などが台頭すると「白人主義」もまた復興し始め、それまでの組織とは関係ないものの「KKK」を名乗る集団が現れるなど、有色人種差別の象徴としてどの時代でも存在感を放っています。point 316 | 1

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写真:seiga.point 65 | nicovideo.point 75 | jp
ちなみに「クー・クラックス・クラン」という名前は拳銃の撃鉄を起こす音から来ていると言われ、初期の時代には平気で殺人も行っていたとても過激な秘密結社です。こういった経緯があり、有色人種とくに黒人は「kkk」という表記を見るとこちらの秘密結社のほうを連想するためにアメリカではタブーとなっている言葉です。ヨーロッパにおけるナチスとその象徴、ハーケンクロイツに似た扱いをされているため、韓国出身者が気軽に「kkk」を使って黒人とトラブルになるケースも存在しています。言葉の意味はその国、その民族が積み重ねてきた歴史や言語によってまったく違ってきてしまいますから、「郷に入れば郷に従え」の言葉通りその国のマナーを守って言葉を使うのが本来のあり方と言えます。point 401 | 1

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写真:irasutoya.com
しかし困ったことにネット上では国境など無いに等しいため、もう少しネット文化が成熟し「ネット共通語」のようなものが出来るまでは多少の混乱や衝突、誤解は続きそうです。

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