サッカーのワールドカップは4年ごとに開催されていて、第17回目の大会となる2002年大会は日本と韓国が共催することになりました。ワールドカップとして初めて二つの国が共催する大会になったことで大会中だけでなく開催前から様々なトラブルがありましたが、その中でも特に2002年大会の呼び方について日本と韓国の間で一悶着があったのです。
現在では最終的に国名を含めない大会名を使うことで落ち着きましたが、開催当時は「2002FIFAワールドカップ KOREA JAPAN」という名称でした。

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◼︎2002年大会が日韓共催になった経緯

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サッカーのワールドカップはもともと一つの国において開催されてきました。2002年大会も一つの国で開催する予定でしたが、国際サッカー連盟の中でも意見が割れたことで共催になったのです。
まず開催国に立候補したのは日本でした。当時の国際サッカー連盟会長がアジアで開催したいという意向を持っていたことで日本サッカー協会も開催に乗り出したのです。続いて日本の立候補を知った韓国があとから立候補を表明したことで開催国決定までに長い時間がかかることになりました。もちろん開催国に立候補することは悪いことではなく正式な手続きを行っているため問題はありません。
開催国は国際サッカー連盟の理事会で決定されます。しかし、このとき連盟の内部は現会長派と反会長派に二分されている状況で現会長派が推進する日本開催を認めてしまうと反会長派が窮地に追い込まれることで混乱の様相を呈し、意見が全くまとまりませんでした。そこで日本と韓国で共催するという案が生まれて両国に打診されたのです。それから紆余曲折があるなか両国が共催を受け入れたことで2002年のワールドカップは日韓共催になることが正式に決まりました。共催が決まったことで大会の開幕に向けて準備が進められましたが、日韓両国と国際サッカー連盟が打ち合わせをする会議でさらなる一悶着が起きるのです。point 575 | 1

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◼︎大会の呼び方で問題が発生

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日韓共催となった2002年大会の開幕に向けて様々な調整が行われますが、その一つに大会の呼称がありました。
過去のワールドカップは一カ国による単独開催だったため開催年とFIFAワールドカップという名称に続いて開催国の名前が添えられていました。しかし、2002年大会は二カ国での共催になったためどういう順序で国名を並べるかが問題になったのです。
とはいえ、もともと呼称についての問題は起きるはずがないことでした。国際的な慣例で複数の国名や企業名を併記する場合はアルファベット順に並べることになっているからです。つまり今大会はJAPANとKOREAなのでJAPANが先になるのが当然ですが、韓国サッカー協会の会長が強硬に反対したことで一悶着が起きてしまったのです。無事に開催することが第一と考えていた日本側はKOREAを先にして決勝戦を日本で開催するという案を落としどころとして了承しました。
大会の呼称が問題になったのは異例中の異例で、2000年に開催されていたヨーロッパ選手権はベルギーとオランダの共催でしたが大会名は慣例に従ってBelgiumが先でNetherlandsが後でした。さらに2002年ワールドカップのあとに開催された2008年と2012年のヨーロッパ選手権も共催ですがそれぞれ国際的な慣例であるアルファベット順の並びになっているのです。point 608 | 1

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◼︎まとめ

大会が開幕する前からトラブルが多かった2002年のワールドカップは無事に開催にこぎ着け、ブラジル代表の優勝で幕を閉じました。しかし、大会の呼称問題をはじめとして日本側と韓国側には隔たりがあったことに加えてサッカーの試合においても誤審が多発したことで後年の評価では2002年大会が成功したとは言われていません。
今後日本が再びワールドカップを開催することがあれば、ぜひ単独で開催してサッカーの楽しさを日本と世界に届けられるようにしたいものです。point 292 | 1