全国にネットワークを持つゆうちょ銀行は、郵便貯金を扱う便利な金融機関です。郵政民営化で、民間銀行になったことで、郵便貯金はどう変わったのでしょうか。業務的には、郵便局の業務は民営化前とほとんど変わらないように見えますが窓口は、ゆうちょ、簡保、郵便を郵便局株式会社が担当しています。
従来の普通郵便局、特定郵便局の区分は民営化でなくなりました。古くからあった郵便貯金は業務を引き継ぎましたが、サービスや商品は銀行法に基づいて運営されています。
意外に古いんです郵便貯金の歴史
写真:ニッポンレンタカー
郵便貯金は、1875年5月2日に東京府下の郵便局と横浜郵便局で始められたのが最初だといわれています。郵便局は1871年(明治4年)に東京から大阪間の官営の郵便事業が始まり全国に郵便局が拡大しました。始めたのは当時の官僚であった前島密で長く郵政の長の地位にいました。
明治時代銀行の銀行である日本銀行ができたのが1882年ですから、その前から郵便局は個人に対する郵便貯金を取り扱っていたことになります。郵便局は全国津々浦々に至るまで展開を遂げるとともに郵便貯金は拡大し、1908年には優に1億円を超えている日本一の預かり高を誇っていました。
写真:All About(オールアバウト)
郵便貯金の魅力は、なんといっても定額貯金があることです。これは、半年ごとに複利で利子が増えていく素晴らしい貯金です。例えば100万円預けて半年後の利子が1%、1万円だとすると半年後には101万円、1年後には101万円に利子がついて102万100円とお金が増えていくシステムです。しかも半年過ぎたら満期扱いで解約自由です。利子がいいから少しだけ預けておきたい方にはもってこいの貯金です。ちなみに預金とは、金融機関にお金を預けることです。金融機関のうちでゆうちょ銀行、農協、漁協では貯金が使われ、その他の金融機関では預金という名前でお客様のお金を預かってくれます。
郵便貯金の仕組みってどうなっているの
写真:日本商工会議所
郵政民営化によって2006年株式会社ゆうちょが設立され、2007年10月に正式にゆうちょ銀行が誕生しました。国内最大の貯金総額を有しています。
業務としては郵便貯金が取り扱ってきた業務を引き継いでいますが、ゆうちょ銀行が提供するサービスは、民間移行にともない銀行法によって預貯金に準じた商品として認められました。店舗網からしてもメガバンクをしのぐ存在であり。郵便貯金の名前のもと独自の金利体系をもって運営されています。
通常貯蓄貯金は、10万円以上あれば通常貯金より高い利子をつけられますが、10万円を下回ると通常貯金より低い利子になります。
写真:Gooブログ
郵便貯金には半年複利の定額貯金のほかに、預入期間を定めた定期貯金があります。1か月、3か月、6か月、1年、2年.3年、4年、5年の期間を定める貯金です。一般に期間が長いほど利息が高くなります。定額貯金と異なり分割払い戻しは認めていません。また預入期間が3年以上の貯金は半年複利で満期後同条件で自動継続することができます。継続できるのは10年間です。
郵便貯金時代より日本国内の民間金融機関との提携を進めてきた関係より、現在は個人向けキャッシュカード発行するほぼすべての預金取り扱い機関と接続契約を結んでおりATMでのキャッシュカードの相互利用が可能になっています。
まとめ
写真:貯金のしおり
郵政民営化で郵便貯金は大きく変化をとげています。大きな魅力であった定額貯金は引き継がれ半年複利のメリットも受けることはできます。全国ネットのATMと大半の民間金融機関とのオンライン提携で全国どこでも利用できる便利さはますます郵便局を便利な窓口として存在感を増す存在になっています。もちろん、日本で最も預金残高を誇る金融機関はゆうちょ銀行です。新たな業務の取り組みとともに、新しい商品を取り扱いができるようにゆうちょ銀行は開発をすすめています。