ダイヤモンドは1950年代ごろまで発掘された天然もののみがジュエリー店などで販売されていました。ダイヤモンドがつくられるにはとてつもない圧力と温度が必要になってきます。ということは逆にいうとその高温と圧力さえあれば人の手でもつくれるということになります。今まで不可能とされてきましたが、なんと1953年にその人工ダイヤモンド合成法が実現したのです。
では、そんな人工ダイヤモンドと本物のダイヤモンドはどれほどの違いがあるのか、紹介していきます。
本物と人工ダイヤモンドの違いとは?
写真:viyoutube.com
本物と人工のダイヤモンドは組成自体は全く同じです。人工のものには様々な成分が混ざってはいますが、基本的には鉛筆の芯と同じ炭素原子から主になっています。
ただ作り方はもちろん違います。本物が生成されるのは地殻の140km〜190km付近。そこから地殻変動や地質変化などの影響により人の手で採掘できる所まで上がってくるのです。ちなみに生成まで10〜33億年ほど。「永遠の輝き」なんていわれるのも納得です。一方人工のダイヤモンドは本物再生される条件を再現する機械を使って生成します。
人工ダイヤモンドと本物のダイヤモンドのもうひとつの違いというのは、用途にあります。
写真:コーンズ テクノロジー株式会社
本物は結晶構造が大きく、やはりジュエリーや装飾品として用いられますが、人工ダイヤモンドは本物と比べると大きなものはつくれず、加工や生成の仕方により様々な形状に変わります。
薄い膜状のダイヤモンドを生成し、半導体のシリコンの代わりにしたり細かい微粉にして工業などに役立てます。近年ではそれが様々な精密機械に使われ、近代化の進むべき世界で、工業品という意味では本物よりも大きな価値を生み出す可能性を秘めています。
そんな人工ダイヤモンドは別名「ジルコニア」とも呼ばれます。パワーストーンとしては、ダイヤモンドとは別の石として分類されている場合もあります。
本物と人工ダイヤモンドの価値の違い そして見分け方とは?
写真:カラパイア
もちろん人工ダイヤモンドは装飾品などとしてジュエリー店などで販売されています。昔は品質も悪く、費用もかかるので本物のダイヤモンドに比べ大きく価値が劣っていました。しかし、人の手によってより本物のダイヤモンドが生成される環境に近づけたり、近年では天然のものより良いダイヤモンドが作られる環境を再現、そして生成することにより見た目において本物と同等、またはそれを超えるほどの美しさを持つ人工ダイヤモンドが生成も可能とされています。しかしそれでも値段はもちろん価値も本物のダイヤモンドの方が格段に上です。何十億年とかかってやっと生まれ、その中でも全てではなく選りすぐりのもののみが店頭に並ぶことを許されるわけですから。
写真:wikiHow
そんな本物のダイヤモンドと人工のダイヤモンドの主な見分け方は様々ですが、簡単にできるものは2つほどあります。
1つは息を吹きかけること。
何かを磨いたり、拭いたりするときのようにハーッと息を吹きかけます。ダイヤモンドは熱伝導性が高く、本物は熱をすぐに逃がすことができるため曇りにくく、一方で人工のものは本物に比べ曇っている時間が長いです。
2つめは屈折率。
ダイヤモンドを新聞紙などの上に乗せてルーペなどで見ると、本物は下の字が屈折によって見えにくいのに対して偽物は屈折率が低いので下の字が見えるのです。
まとめ
写真:ライブドアニュース – Livedoor
人工ダイヤモンドはあくまでも工業用が主な用途です。今ではあらゆる電子機器などにも使われています。そして本物のダイヤモンドは装飾品やジュエリーとして使われます。2つのダイヤモンドは今や立つべき土台すらも違ってきています。
ですが、人工ダイヤモンドはこれからの社会に大きく貢献する工業品として、本物のダイヤモンドは古くから人々に愛されて、結婚指輪やプレゼント用の装飾品として人と人との縁を結ぶ大切な物として人々の役に立ち続けています。