金髪の女性が服を脱いで浴室の中に入る。後の女性がシャワーを浴びている間に見知らぬ男性が現れる。
婦人服を着て手に凶器を持っている男性。無慈悲に凶器を振り回して女性を殺害する。
このストーリーはアルフレッド・ヒッチコック監督の代表作「サイコ」の名場面の一つです。ところで、このシーンは、実際の人物をモチーフに作られたという事実を知っていますか。
最近、オンラインメディアウェアブログは1950年代に米国全域を恐怖に震えさせた史上最悪の殺人鬼エドワード・ゲイン(Edward Gein)の話を紹介しました。
1906年8月、米国ウィスコンシン州で生まれたゲインは不遇な家庭環境で育ちました。アルコール依存症だったお父さんに暴力的な母親と一緒に厳しい家庭環境の中で生活していました。
ところで、事故で父親と兄を早々失って心の傷が大きかったゲインの唯一頼れる存在は毎日のようにゲインを虐待していたお母さんでした。
しかし、1945年にお母さんまで失い、すべてのものを失ったゲイは大きな喪失感に襲われていました。その時からウィスコンシン州地域でゲインの狂気が狂い始めたのです。
1940年代後半から1950年代までにかけて該当地域では急に行方不明事件が増加しました。
知るところによると、1947年5月1日に近くに住んでいた8歳の少女が行方不明になり、警察は総力を挙げて調査したが、少女は帰って来ませんでした。
その後も1952年に鹿狩りに出た二人の男性が行方不明になり、1954年にも地域住民だった女性が突然失踪するなどの事件が絶えませんでした。
そんな中、地域をパトロールしていた警察官がゲインの家を捜査していた過程で体腐臭のにおいがして不審に思いました。家の中の倉庫を確認したら、首が切られて壁にかかった死体を目撃した警察官は驚愕を隠せられませんでした。
当時の報道によると、ゲインの倉庫では約10人の首のない女性死体が発見されました。さらに、人間の体の部位や肌で作られた服、ベルト、ネックレス、マスクなども発見しました。
ゲインは生きている人を殺害して、このような犯行を犯しただけではなく、墓地に埋葬された死体を取り出したことも明らかになりました。
彼は「私が女性の体の部位で作られた服を着ていると、女性のなった気分がするのです」と警察に供述しました。これに置いて心理学専門家たちは、「お母さんへの執着から始まった狂気」だと分析しました。
裁判所は精神疾患での起因とする犯行と判断してゲインを精神病棟に収監させ、以後生涯に渡って精神科治療を受けていた彼は1984年7月26日にがん闘病の末に死亡しました。
ゲインと関連付けられているすべての事件の始末が明らかになり、米国を始めとする全世界の人々が衝撃を受けました。人間の体の部位でものを作るという奇抜な発想がさらに驚きでした。
一方、前述した映画「サイコ」だけでなく、映画「羊たちの沈黙」、「悪魔のいけにえ」などもエドワード・ゲインをモチーフにして制作された映画です。