X
    Categories: CELEB

佐藤健が演じる岡田以蔵がハマり役すぎる


佐藤健は、2010年の大河ドラマ「龍馬伝」において尊王攘夷を志す土佐勤王党の頭目となる武市半平太を慕い、武市のために人切りを行った岡田以蔵を演じました。岡田以蔵の持つ心根の優しい部分と慕う人のために人切りに手を染めるさま、そして攘夷派の流れが弱った際に捕縛され牢で拷問を受けたときの演技など従来の人切りの暗く残酷な部分を明るく人間くさい演技で演じきった様子がドラマの流れの中にハマっていました。このような演技の対象となった岡田以蔵の略歴とドラマでの特に演技が光った場面をみていきましょう。

写真:ameblo.jp

◼︎岡田以蔵とは歴史上どのような人物か

ADVERTISEMENT

写真:densetsunavi.com

岡田以蔵は、1838年に土佐(現在の高知県)で郷士の子として生まれます。当時の土佐藩の侍の身分制度としては上級藩士である上士に対し、下級の身分にあるのが郷士という身分です。郷士の中には功績等により白札が与えられ、身分上は郷士だが扱いは上士と同等とする白札郷士という存在もあります。武市半平太はこの白札郷士に位置付けられています。このような下級武士の子として生まれた岡田以蔵は、武市半平太に師事し、剣術を学び、武市の江戸行きに随行し、江戸においても剣術を学びます。その後武市半平太が土佐勤王党を結成した際には土佐に戻り勤王党に加盟します。その後、勤王党が尊王攘夷活動を活発化させる中で、安政の大獄等で尊王攘夷派を弾圧した者達や開国派の者達に対して天誅と称して人切り(暗殺)活動を行います。後年ではこの時代の4大人切りと位置付けられる人物となるのです。ちなみに他の人切りは長州藩の河上彦斎(るろうに剣心の剣心のモデルとなった人物)や薩摩藩の中村半次郎、そして田中新兵衛です。しかし、歴史の流れは1863年の8月18日の政変以降は尊王攘夷派の弾圧が始まり、以蔵も京都で捕縛され土佐に移送されてしまいます。その後、土佐において重臣吉田東洋の暗殺に関する取り調べ等で過酷な拷問を受けて苦しい目にあいながら最後は打ち首となりました。このようなプロフィールからすると尊王攘夷派の暗殺実行部隊という裏の仕事を行う後ろ暗い人物像が想定されます。実際にこのようなイメージで過去の岡田以蔵を演じている人もいますが、佐藤健はこの岡田以蔵に新たなイメージを吹き込みました。point 692 | 1

ADVERTISEMENT

写真:matome.naver.jp

◼︎佐藤健のハマっている演技について

ADVERTISEMENT

写真:blogs.yahoo.co.jp

まず、この大河ドラマ自体が龍馬の天真爛漫な明るさをベースにしていたのでドラマのタッチとして重く暗い中で進んでいっていないことの影響もありますが、青年時代の岡田以蔵が龍馬と再会したときなど抱き合って喜ぶ様が描かれており、そして、龍馬が以蔵におまんは心のやさしいやつじゃけえといったセリフを言われるなど素朴な優しさを表現する演技がうまくドラマの流れの中にはまっていました。また、武市半平太が参勤交代の衛士となった際におまんはわしの隣じゃと言われた際に喜ぶ様などは人間武市にあこがれ武市先生と呼ぶ人柄を見事に表現していました。このような青年期の演技もよいのですが、クライマックスはやはり捕縛後の拷問を受ける中での演技でしょう。拷問を受けて苦しむ中でも吉田東洋暗殺が武市の指示かという点について口を割ろうとしなかった状況で、武市がもうかわいそうだからと毒まんじゅうを牢の管理をしていた岩崎弥太郎に持たせて以蔵に食べさせてやれと言います。弥太郎がもってきたまんじゅうを以蔵に渡す際に手が震えていたのを見てすべてを悟ったのですが、自分の意思でそれを食べようとします。それを弥太郎がまんじゅうを取り上げてお前を殺すことはできんというシーンがあるのですが、ここなどは武市の自分を思って楽にしてやろうという思いを受け止めて武市先生とつぶやくセリフ使いや自分が食べたいといって食べようとするさま、そして弥太郎がまんじゅうを持ち去った後に、わしはもう自分の舌をかむ力もないという心の叫びを表す言葉づかいと雰囲気など抜群にハマった演技を展開していたのです。point 686 | 1

ADVERTISEMENT

写真:plaza.rakuten.co.jp

◼︎まとめ

岡田以蔵は、土佐勤王党の人切りとして活動し、捕縛され打ち首となったので暗いイメージをもたれがちの中で佐藤健は、ドラマの流れに合わせ青年期の明るいイメージと捕縛後の武市を思う拷問に耐えるさまや武市の毒まんじゅうで楽にしてやりたいという思いを汲取る演技などこのドラマの中で岡田以蔵という人物に新しいイメージを吹き込んだハマった演技をしていました。中でも捕縛後に拷問され、苦しみながら耐える演技、そしてセリフ使いは抜群にハマっているといえます。point 296 | 1

ADVERTISEMENT